国際会計基準審議会(IASB)理事、山田辰己氏の5月15日の講演を取り上げた記事。
(日本が国際会計基準を採用するしないにかかわらず)IFRSと米国会計基準の統合化に向けたプロジェクト(MOU)により、日本基準も大きな影響を受けるとのことです。
IASBと日本のASBJ間でコンバージェンスを約束しているので、国際会計基準と米国基準の統合プロジェクトで国際会計基準が変わると、自動的に日本の基準も変わるという流れのようです。
8項目の基準を検討中ですが、山田氏によれば、収益認識と退職(後)給付会計の影響が大きいそうです。
「収益認識について,MOUが提案している変更方針案は「商品やサービスの支配が顧客に移転した時点を収益認識時点(売り上げを計上するタイミング)とする」(山田氏)というもの。企業は,顧客と契約を結ぶと同時に履行義務(顧客に商品やサービスを提供する義務)が発生する。この履行義務が消失した時点を収益認識時点とする。
上記のように収益認識時点が一義的に決まると,「たとえば,テレビに2年間の製品保守サービスを付けて販売した場合,テレビ本体の収益認識時点は販売時だが,保守サービスの収益は時間の経過とともに認識する」(山田氏)。保守サービスの料金が2000円だった場合,1年目に1000円を認識し,2年目に1000円を認識することになる。」
たしかにこれを厳密にやろうとすると、契約のやり方の変更、システムの見直しといった現場の実務に密着した部分が対象になるので、おおごとです。
もうひとつの退職給付会計の方は、数理計算上の差異を(遅延認識ではなく)発生した期に損益に計上するというものです。
こちらは、システム上の影響といよりは、損益数値や財政状態に直接大きな影響が出てくるでしょう。
IASBとFASBのMOUのアップデート(新日本監査法人のサイトより)
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