会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

オリンパス、反社会的勢力への資金流出は認められない=第三者委(ロイターより)

オリンパス、反社会的勢力への資金流出は認められない=第三者委

オリンパスが、米ニューヨーク・タイムズ紙などで、企業買収時の資金が反社会的勢力に流れた可能性があると報道されたことについて「これまでの調査において、かかる事実は認められない」との文書を第三者委員会から受け取ったと発表したという記事。

「・・・オリンパスが設置した第三者委員会の甲斐中辰夫委員長名で21日に公表されたコメントによると、同委員会は「買収資金の流れを中心に調査している」としたが、反社会的勢力への資金流出については「これまでの調査では認められない」との見解を示した。」

不正な買収資金は損失先送りスキームの穴埋めに使われたので、そこから直接反社会的勢力にわたったのではないのかもしれません。むしろ、10年以上継続した先送りスキームで行われたさまざまな取引のなかに、反社勢力に利益を与えるようなものがなかったかどうかを、ひとつひとつ調べていく必要があると思われます。ようするに、反社会的勢力の関与によって損失が拡大したのではないことを確かめなければならないということになります。

元社長のウッドフォード氏はさっそく反論しています。

ウッドフォード氏「第三者委は予断持たず調査を」(日経)

「オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏は21日、ロンドン市内で会見した。同社の損失隠しを調査する第三者委員会が、過去の企業買収へ反社会的勢力が関与した可能性が「認められていない」と声明を出したことに対し、「私を含めて誰も予断を持つべきではない」と指摘、徹底調査を求めた。」

「ごまかし」と第三者委批判 オリンパスの英国人元社長(産経)

「同氏は、反社会勢力の関与を否定した第三者委の21日の声明について「なぜこの段階でそのような声明が出せるのか。委員会の信頼性を傷つけるもので、全く不適切だ」と批判。もともとの損失額や、誰が損失隠しを助けたのかなどの疑念を解明すべきだと強調した。」

オリンパス “損失隠し指南料”200億円超外部流出か(sankeibiz)

反社会的勢力と関係があるかどうかは不明ですが、関与した金融ブローカーたちには、多額の報酬が与えられたようです。

「オリンパスによる損失隠し問題で、英医療器具会社ジャイラスの買収を仲介した投資助言会社の代表ら国内大手証券会社のOB2人に計百数十億円の報酬が渡っていた疑いがあることが20日、関係者への取材で分かった。

 国内ベンチャー3社の買収に関与した同じ証券会社の別のOBや金融ブローカーにも100億円以上が流れていたとみられる。」

当社に関する一部報道に対する第三者委員会からのコメントの受領について(PDFファイル)

会社からコメントを出してくれと言われて出したのだとすれば、委員会の独立性が疑われます。

オリンパス「飛ばし」の記事はとばしちゃいけない(FACTA)

雑誌FACTAによれば、「組織犯罪(ヤクザ組織)は直接登場しません」とのことです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事