2~3分の訪問を30分と見せかけ 診療報酬28億円超を不正請求 有料老人ホーム運営の「サンウェルズ」
パーキンソン病専門の有料老人ホームを運営している「サンウェルズ」(東証プライム)が診療報酬不正請求疑惑に関する調査報告書を公表したという記事。
多額の不正が確認されたようです。
「外部の弁護士からなる特別調査委員会の報告書によりますと、実際には患者のようすを2~3分しか確認していないのにおよそ30分訪問したように見せかけたり、1人で訪問したのに複数人で訪問したように記録したりして診療報酬を水増しし、およそ28億円を不正に請求した可能性があるとしています。」
約28億4700万円の不正請求と調査委が試算…金沢市に本社の「サンウェルズ」の訪問看護事業めぐり(FNN)
「去年9月、施設で実施する訪問看護事業に関して過剰な診療報酬を請求しているとの指摘に対し、サンウェルズはそのような事実は一切ないと答えていました。」
「報告書では、訪問看護について、数分しか訪問していないにもかかわらず30分訪問したことにしていたり、同行者がいないにもかかわらずいたことにするなどの不正がほぼ全ての施設で行われていたと指摘しています。
不正な診療報酬の請求額は調査委員会の試算で約28億4700万円に上ると言う事です。」
年間売上高が200億円台の会社です。28億円もの収益の不正を見逃してしまうとは...
もちろん、診療報酬請求の専門的で細かい内容を、チェックするのは難しいというのはわかりますが...
【スクープ】東証プライム上場サンウェルズが老人ホームほぼ全てで介護報酬不正請求!社長の「インサイダー取引」疑惑に発展か(ダイヤモンドオンライン)(記事の一部のみ)
「野村證券の主幹事により22年に東京証券取引所グロース市場に上場して以来、売り上げ・利益共に前期実績を大幅に更新する好調な決算を続け、23年春に時価総額は1000億円を超えた。昨年7月、東証プライムへ市場変更。30年までに140施設、定員を7700人に増やす経営計画を策定していた。
ところがその矢先に、ある疑惑が浮上する。共同通信が昨年9月、サンウェルズが介護報酬の不正請求を行っているという記事を配信したのである。共同は、サンウェルズで過剰な訪問看護がマニュアル化されており、実際とは異なる記録で介護報酬が請求されていると指摘していた。」
会社のプレスリリース(報告書も添付されています)。調査にはPwCが加わっています。
特別調査委員会の調査報告書の受領に関するお知らせ(2025年2月7日)(PDFファイル)
決算への影響は...
「今後の対応について
(1)過年度の有価証券報告書等及び決算短信等について
当社は、特別調査委員会の調査結果に基づき、過年度の会計処理の検証及び財務諸表に与える影響額を精査のうえ、過年度の有価証券報告書等及び内部統制報告書の訂正報告書の提出並びに決算短信等の訂正を2025年2月12日に行う予定です。
(2)2025 年3月期半期報告書及び 2025 年3月期第2四半期決算短信について
当社は、2024年11月14日付「2025年3月期半期報告書の提出期限延長に関する承認のお知らせ」にて公表いたしましたとおり、当該半期報告書の提出期限を2025年2月12日とする旨の承認を受けており、延長後の提出期限である2025年2月12日までに当該半期報告書の提出及び2025年3月期第2四半期決算短信の発表を行う予定です。」
こんな開示もありました。
YouTubeチャンネル「公認会計士ひねけんの株式投資チャンネル」に当社の企業研究動画が公開されました。 (2024年7月)(PDFファイル)
パーキンソン病については...
高齢化、増えるパーキンソン病 症状抑制より長く 原因除く研究も(2024年)(朝日)
「パーキンソン病は、運動の制御に関わる脳内物質「ドパミン」をつくる神経細胞が減り、運動機能に障害が出る難病だ。国内の患者数は推定14万人ほど。5~10%ほどは家族内に発症した人がいるが、ほとんどは家族に遺伝しないタイプとされる。40歳未満の患者は極めて少なく、年齢が上がるほど増える。
社会の高齢化に伴う患者急増は「パーキンソンパンデミック」とも呼ばれ、世界的に警鐘が鳴らされている。」