会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

苦境のボーイング、ストライキ継続の裏には(NHKより)

苦境のボーイング、ストライキ継続の裏には

直近の四半期決算が大赤字となった米「ボーイング」社を取り上げた記事。

「アメリカの航空機メーカー「ボーイング」が苦境に陥っています。

ことし9月までの3か月間の決算は日本円でおよそ9400億円の最終赤字となり、3か月ごとの決算での赤字は9期連続です。」

「大手格付け会社「S&Pグローバル・レーティング」などによるボーイングの社債の格付けは「投資不適格」の一歩手前となっていて、さらに引き下げられる可能性も出てきています。

ストライキが影響しているそうですが、記事ではボーイングの労働者や取引先にインタビューしています。

労働者へのインタビュー。

「バーンファーザーさん
「ストライキを100%支持する。従業員に適切に給与が支払われれば『今月の家賃を支払えるか』と心配しなくていいし、幸せな生活を維持できる」

バーンファーザーさんは、ボーイングのデビッド・カルフーン前CEOの3300万ドル(日本円でおよそ50億円)の報酬について触れた上で、年金制度などの充実を求める考えを示しました。

「(前の)CEOに3300万ドルを支払える会社が、なぜ従業員には適切な給与を与えてないのか、疑問に思う。4年間で35%の賃上げはよいと思うが、会社にはまだ譲歩できることがあるはずだ」」

アナリストにも話を聞いています。

「ボーイングを追いかけて36年という業界屈指のアナリスト、リチャード・アブラフィア氏は、会社の現状をどう分析しているのでしょうか。」

「問題点としてあげたのが、株主への還元を過度に重視した会社の経営方針です。
アブラフィア氏は2000年代のはじめからこうした姿勢が強まったと指摘。

コスト削減を進める一方、本業で得た資金の大半を配当や自社株買いなどに充てたことで、中長期的な計画や従業員の処遇改善のための原資が十分に確保できない状態だったと指摘します。

では、会社がこれから再生するためには何が必要なのか。カギとしたあげたのは「ものづくり」を重視する企業文化の再構築でした。

航空機の品質問題が起きたのは、ボーイングでの経営陣と生産現場のコミュニケーションが十分ではなかったためだと指摘します。

アブラフィア氏
安全や品質を守るための適切な決定が下されているか。適切なリソースが提供されているか。その答えはおそらくノーであり、航空機の設計や製造という中核事業の経験を持たない人間を最高幹部に任命してきたことの代償だ。真の製造業に戻るための経営をしていくには、新たな経営陣が取引先や従業員に対し、より密接なコミュニケーションを図り、協力して新しい製品やテクノロジーを生み出していくというメッセージを伝えるべきだ」」

金融庁や東証は、株主との対話ばかりを強調していますが、それでよいのかどうか...

 

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