会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

農林中金の奥理事長が辞任へ、外債投資による多額損失で-関係者(ブルームバーグより)

農林中金の奥理事長が辞任へ、外債投資による多額損失で-関係者

農林中央金庫の理事長が辞任するという記事。外債投資失敗による大赤字の責任を取るようです。

「農林中金が7日発表した24年4ー12月期決算は、収益性が悪化した外債の売却を進めたことで、1兆4145億円に上る巨額の赤字(前年同期は971億円の黒字)となった。有価証券保有による評価損は1兆5700億円に上り、3カ月前の1兆5000億円から増加した。

農林中金は外債に偏ったポートフォリオを再構築し、より収益力を高めるため、債券、株式、プロジェクトファイナンス、債務担保証券(CDO)などの証券化商品に投資する計画だ。政府の有識者検証会は1月、運用ポートフォリオの分散化や外部人材の登用などを提言した。

ブルームバーグ・インテリジェンスの伴英康アナリストは、「農林中金はこれまでも市場運用のプロを集めてはいたが、最終的にトップの判断で外債運用のウエートを上げてしまったことは問題だった」と指摘。新たな経営陣には運用力強化やそのモニタリングが必要で、「北林氏にはこうしたチェックを組織として機能させるためのリーダーシップが求められる」と述べた。」

まさか、この赤字を埋めるために、コメの値段を高止まりさせているということはないとは思いますが...

以前取り上げた記事と見出し以外はほぼ同じもののようですが...

遂に引責辞任!/農林中金の戦犯「奥和登」理事長/無責任な「経営管理委員」も全員辞めるべき!(FACTA)(期間限定で無料で読めるようです。)

「農林中金の巨額損失の原因は、農林中金が、

農協を通じて、運用できもしない巨額の預金を集めていること

▽その農協(金融と他事業を兼営)から、経済事業(農産物の販売など)の恒常的な赤字を補てんするために高い利益還元を要求され、これを拒否できないでいること

▽その結果として、海外で無理な資金運用を行っていることにある。

しかも、リーマン・ショックのときも今回も、農林中金の自己資本比率を回復させるために、農林中金は農協に資本増強への協力をしてもらっており、この結果、農協から農林中金への利益還元要求は一層高まることになるのである。

そして、その資本増強策として、農協の農林中金に対する預け金を資本(劣後ローン)に振り替えるという、他の金融機関ではあり得ない措置が、なぜか金融庁から認められている。打ち出の小槌のような資本増強策が認められているから、農林中金は失敗を繰り返すのである。」

たぶんこのとおりなのでしょう。

ポートフォリオを再構築といっても、リーマンショックの時は、高い利回りを狙って、海外証券化商品に投資して失敗、それにこりて、格付けの高い安全な外債に投資したのに、今度は金利高で失敗、と素人が見ても、どうなのかと思われる運用をやっていて、うまくいくのでしょうか。

農林中金、理事長交代で出直しへ 巨額赤字でけじめ図る(日経)(記事冒頭のみ)

「農林中央金庫の奥和登理事長が3月末で辞任し、北林太郎常務執行役員が後任として昇格する人事が固まった。含み損が生じた債券の売却に伴う損失確定で2025年3月期は1兆5000億円を超える最終赤字に陥ることが見込まれる。経営体制を刷新し、巨額赤字のけじめを付けたい考えだ。」

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