モジュレ、会計監査人辞任による有価証券報告書提出困難で監理銘柄(確認中)指定へ(marketnewslineより)
2016-09-25
ジャスダック上場のモジュレが、会計監査人辞任により有価証券報告書の提出が困難となる状況となったことを受けて監理銘柄(確認中)指定されたという記事。
「同社に関しては不正会計の疑義が生じる事態となっており、こうした事態の判明を受けて会計監査人のアスカ監査法人が辞任。その代りとなる一時会計監査人の選定もできない状態が続いていることが、法定期限内に有価証券報告書の提出が困難になるという最悪の状況につながった。
同社は、「平成28年5月期有価証券報告書の提出期限の延長の申請について、関東財務局と協議したところ 、当社は現時点において一時会計監査人を選定できていないため、有価証券報告書の提出スケジュールを示せないことから、当該承認申請に必要な要件を具備しておらず、有価証券報告書の提出期限延長の承認申請を行うことが出来なかった」としており、今後については、法定提出期限の1カ月後となる9月30日までに有価証券報告書が提出できなかった場合には、整理銘柄指定となり、その上で上場廃止となるとしている。」
詳しい事情は分かりませんが、東芝のときは、あっさり期限延長を認めたのに、この会社のように新しい監査人を選ぶまで待ってくれというのを認めないというのは、アンバランスなのでは。
また、いまのところ「不正会計発覚→監査人辞任→一時会計監査人選任できず→上場廃止のおそれ」という流れとなっていますが、従来なら、このような場合でも、代わりの監査人がどこからともなくあらわれてくるのが普通だったのに、金融庁や会計士協会や東証などの駆け込み寺的監査人への厳しい対応(上場会社監査事務所登録後でなければ監査できない、「前科」があれば登録できない、レビューで不備があれば登録抹消など)により、それも難しくなっているようです。駆け込み寺的監査人でなくても、有報の期限延長が認められず、ごく限られた監査期間しかなければ、十分な手続きが行えないわけですから、簡単には手を出せません。
これも東芝と比べると、巨額粉飾発覚時の監査人が、会社からだまされ放題だったにもかかわらず期中では辞任せず、次年度の監査人もあっさりみつかったという点で、この会社の例とはだいぶ違うようです。
一連の会社のプレスリリース(新しい順)(いずれもPDFファイル)。
一時会計監査人の選定状況等に関するお知らせ(9月23日)
「当社は、一時会計監査人の選定を行っておりましたが、本日現在、一時会計監査人を選定できておらず、また、平成 28 年9月 29 日開催予定の第 17 回定時株主総会継続会(以下、「継続会」といいます。)において、第 17 期の事業報告及び計算書類等のご提供並びに有価証券報告書を法定提出期限の経過後1か月以内(平成 28 年9月 30 日)に提出することが困難である見込みとなりましたのでお知らせいたします。」
「当社は、平成 28 年7月 22 日付「公認会計士等の異動に関するお知らせ」のとおり、会計監査人が辞任したため、一時会計監査人を選定するべく複数の監査法人と交渉・面談等を行い、監査法人に受託の可否について検討する予備調査を実施して頂いておりましたが、本日、監査法人より、受託できない旨の回答を受けました。このため、本日現在、当社の一時会計監査人は不在であり、平成 28 年5月期決算の監査は未了であります。」
平成 28 年5月期有価証券報告書提出遅延及び当社株式の監理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ(8月29日)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(7月22日)
「当社は、平成 28 年7月 20 日付「第三者委員会の設置に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、過年度における①無形固定資産に計上されているソフトウエアや賃貸用資産の一部を取得した際の取得価額の妥当性、②ソフトウエア仮勘定におけるソフトウエアの一部を取得した際の取得価額の妥当性、③一部取引先からの仕入計上の適切性、等について疑義があることが判明いたしました。
このことを受け、アスカ監査法人と今後の監査対応等について協議いたしました結果、本日付で、アスカ監査法人より、上記に関して会計監査上、極めて重要な事実が意図的に開示されていなかったことが判明したことにより、監査約款第4条(委嘱者の責任)1項五ア「記録、文書及びその他の事項等、財務諸表等及び内部統制報告書の作成に関連すると委嘱者が認識している全ての情報を入手する機会」が提供されず、監査約款第 14 条(委嘱者の責任)1項四に記載されている「委嘱者の役職員が受嘱者の業務遂行に誠実に対応しない場合等、受嘱者の委嘱者に対する信頼関係が著しく損なわれた場合」に該当することから、監査及び四半期レビュー契約を解除する旨の通知を受領したため、監査契約を解除することとなりました。」
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