民主党が、消費税率引き上げの際の低所得者対策として、「給付付き税額控除制度」を採用する方針を固めたという記事。
「民主党は10日、社会保障と税の一体改革の焦点となる消費税率引き上げの際の低所得者対策として、税額控除の恩恵が少ない層に手当を支給する「給付付き税額控除制度」を採用する方針を固めた。年末をめどに取りまとめる素案に盛り込むよう党内調整を進める。一方、自民党は消費税率を10%に引き上げる際には、食料品など生活必需品の税率を下げる軽減税率(複数税率)の導入を求めており、与野党協議が行われる際の大きな障害となりそうだ。」
将来の消費税率引き上げを見越した益税つぶしの動きだと思いますが、来年度から、消費税の仕入れ税額控除の95%ルールの適用会社が大幅に制限されます。課税売り上げに対応した仕入税額控除しか認めないという原則がより広く適用されることになります。
しかし、現行のこうした仕入税額控除の仕組みは、単一税率を前提にしたものであり、自民党の言うような軽減税率(税率が複数になる)を適用するとなると、課税売り上げに対応した仕入かどうかという区分だけでなく、どの税率の課税売り上げに対応した仕入なのかに応じた区分が必要になってきます。
理論的には、売上の方の税率(非課税は税率ゼロと考える)にかかわらず、仕入税額は全額控除するのがすっきりしますが、そういう検討はされていないようです。
いずれにせよ、税率10%ぐらいまでは、現行の仕組みでやっていくとしても、それ以上の税率にする場合には、仕組みを全面的に見直さなければならないと思われます。
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