東芝の2017年3月期の監査が難航しているという記事。他のメディアで報じられているのとほぼ同じ内容ですが、この記事では「あらた」対「東芝+新日本」という構図になっています。
「東芝はアメリカの原子力事業による巨額の損失を昨年度に認識したとしていますが、関係者によりますと「PwCあらた」はさらに前の2015年度に損失を認識していたはずだとして、過去にさかのぼって決算内容を見直すよう求めているということです。
この2015年度の決算は東芝が不正会計問題をきっかけに監査法人を変更する前の「新日本監査法人」が監査を担当していました。
東芝と新日本監査法人は2015年度の時点では損失は認識していないとしていて、意見の隔たりが解消できていません。」
解決策は...
「東芝は現在の財務状況などに限定して承認を得ることを含めて「PwCあらた」と協議を続ける方針です。」
監査人は、財務諸表全体(BS、PL、...)について意見を出さなければならないので、現在の財務状況(2017年3月末BS?)のみの監査意見というのは、現行制度では無意味でしょう。限定付き意見はあり得ますが、数千億円単位の損失の期ずれを、限定付きですませてよいのか...
先日紹介した週刊新潮の記事がウェブで公開されているようです。(いまのところ「上」だけ)
↓
「東芝」vs.「監査法人」泥沼闘争を実況中継 調査費用20億円が水の泡…(デイリー新潮)
「決算期が近づくと、東芝本社の別室には、4人の公認会計士を含め、PwCあらたのスタッフが30人近くカンヅメになる。そこで膨大な帳簿を調べあげるのだが、想定外の事件が起きたのは昨年12月27日。アメリカの原発事業で巨額の損失が明らかになり、翌年の1月初旬には、内部告発も寄せられた。
やはり東芝は信用できないと考えたのだろうか。PwCあらたは、交渉相手を主計部(経理部に相当する部署)から、「監査委員会」に変えるよう、東芝に要求する。監査委員会とは、監査役をサポートし、より中立な立場から経営をチェックする部署だ。」
監査委員会を関与させるというのはいいとしても、監査窓口は経理部でないと、無理が出てくるような気もしますが...。また、会計士が4人だけとしたら少なすぎでは(パートナーの数のこと?)。
巨額損失と内部告発を受けて行われた調査作業についてもふれています(詳しくは新潮記事をご覧ください)。「調査費用は20億円を超えていた」のだそうです。
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