東芝テックが、株主総会の継続会を開催するという記事。決算手続きの遅れで、会社法の会計監査人監査が終わっていないようです。
「東芝テックは8日、24日に開催する株主総会で2016年3月期の決算報告ができないと発表した。海外POS(販売時点情報管理)事業の決算手続きの遅れで監査法人から監査結果などを受領できていないため。代わりに「継続会」という決算報告にテーマを絞った臨時会を総会と別の日に開き、株主の理解を求める。
継続会の開催は24日の株主総会で諮る。承認を得た上で、日時や場所を記した開催通知を株主に送る。継続会は株主総会の一部とし、総会で議決権を行使できる株主が出席できる。同社は12年に米IBMから買収したPOSなどの決算業務の遅れに伴い、決算発表も5月11日から同20日へ延期していた。」
後任のあらたに引き継がないといけないので、厳密な監査をやっているのでしょう。サハダイヤモンドのように、監査が意見不表明(あるいは限定付)のままで、総会で決算承認という最後の手段もありますが、それは避けたようです。
また、海外事業は現地の会計事務所が監査していると思われますが、海外では「何が何でも期日に間に合わせろ」というような無理なチャレンジは通用しないのでしょう。(もちろん、海外でも、何も問題がなければ、スケジュールどおりに進むのが普通だと思いますが)
第91期定時株主総会及び継続会の開催に関するお知らせ(PDFファイル)
「当社は、2016年5月25 日開催の取締役会において、第91期定時株主総会(以下「本総会」といいます。)の開催について決議しましたが、海外リテール事業(グローバルコマースソリューション事業)の現地法人における決算手続きに想定以上の時間を要していることから、本総会の報告事項「第91期(2015年4月1日から2016年3月31 日まで)事業報告、連結計算書類、計算書類並びに会計監査人及び監査役会の連結計算書類監査結果報告の件」 の取り扱いに関しては、決算手続き、会計監査人監査報告の受領など所要の手続き(以下「決算関連手続き」といいます。)の進捗を見極め、本日開催の取締役会において最終決定することとしておりました。
このような状況下で、全力を挙げて決算関連手続きを進めてまいりましたが、現時点において、決算関連手続きは完了しておりませんので、当社は、本総会において報告事項を報告することを断念せざるを得ないものと判断いたしました。
このため、当社は、決算関連手続きを完了次第、速やかに本総会の継続会(以下「継続会」といいます。)を開催し、継続会で報告事項をご報告することなどに関し、本総会において株主の皆様にお諮りする予定です。」
日経記事では有報のことは全くふれていませんが、プレスリリースでは末尾で以下のように書いています。
「当社は、去る5月20 日に開示した決算数値の精査を含め、海外リテール事業 (グローバルコマースソリューション事業)に係る決算関連手続きを現在も継続中であり、早急に当該手続きを完了し、有価証券報告書を提出期限までに提出する予定です。」
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