島根・西ノ島町が全課で11年間不正経理 「98年ごろから」証言も
島根県・隠岐諸島の西ノ島町で長年にわたり不正経理が続いていたという記事。
「業者に物品などを架空発注して現金をプールさせる「預け」などの手口」とのことです。記事を読む限りでは、単に会計処理がずさんだったというもののようですが、1人だけ、ずさんな会計慣行を利用して公金詐取を行った者がいて摘発され、ばれてしまったようです。
「問題が発覚したのは、架空の伝票を作成し、町から町内の文具店に振り込ませて公金を詐取したとして、詐欺罪に問われた元町職員=懲戒免職=の初公判。検察側が町の複数の課で不正経理をしていたと指摘した。これを受けて、町は副町長や弁護士らによる調査チームを設置。3月末、坂栄一秀町長らが記者会見を開いて謝罪し、調査の途中経過を発表した。」
「不正に関わった業者は元職員の事件に関与した文具店のみ。町が実施した無記名のアンケートでは対象の職員71人中27人が「過去に預けを行った」と回答した。「預け」に関わった6人に個別に聞き取りをしたところ、5人は違反行為と認識しながら「預け」をしていた。「1998年ごろから預けがあった」という回答もあり、長年にわたってずさんな公金管理が続いていた実態がうかがえる。」
「こうした不正経理は国などの補助金や交付金の精算処理が追いつかず、年度内に使い切るのが最も大きな目的という。役場で使う扇風機やテレビといった補助金や交付金の本来の使途とは異なる備品購入も含まれていたが、私的な公金支出は元職員以外にはなかった。」
不正な処理を行った可能性のある金額は約3260万円とのことで、すごく大きいというほどではありませんが、役場ぐるみ、かつ、長期間という点で、ひどい例です。ただ、慣行のようになっていて、やっていた人たちに、罪悪感はあまりなかったのかもしれません。
「職員や取引業者に対する調査の結果、事務用品を扱う1業者との間で、断続的ではあるものの、すべての課において過去又は現在に預け金があることが確認されました。
その上で、平成24年度から令和4年度までの間における、当該業者との取引総額を確認した結果、181,475,188円で、取引件数は2,631件ありました。
また、当該業者に残る現時点の預け金の残額は、149,872円であることが確認されたほか、請求書の内容と異なる納品として6,465,037円分の差替えがあったことを確認しました。
今回、特別調査チームが預け金の残額として確認した、149,872円については、すみやかに町へ返還するよう当該業者へ求めていきます。
なお、補助目的と異なる用途に支出したおそれのあるもの、会計年度を誤って支出したおそれのあるものが、32,606,404円あることから、引き続き調査を進めるものとし、支払い元となる補助金や起債等の有無を把握し、事業分類を行うことが必要となります。
また、金額の中には正常な取引分も含まれているため、納品時期等も個別確認した上で調査を進めていきます。」
問題の業者との取引が全部あやしいとなると、181百万円にもなるので、それなりに大きな問題です。