会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

監査時間が足りないというのは本当ですか?――監査時間の不足をめぐる議論(「企業会計」より)

監査時間や監査期間(決算日から監査報告書日まで)が足りないという会計士協会の主張を全否定したコラム記事のことを以前取り上げましたが、コラム記事が掲載されていた同じ雑誌「企業会計」の最新号(10月号)に、それに反論するような解説が掲載されています(「監査時間が足りないというのは本当ですか?――監査時間の不足をめぐる議論」)。

コラム自体への反論・批判ということではないのですが、「じっくり語ろう監査のはなし」という学者の人による連載の中で、問題のコラムを材料にして、これまでの研究成果などを示し監査時間の問題を論じています。特に米国と比べた場合に、日本の監査時間がかなり少ないということは、確実にいえるようです。

ただ、監査期間の問題(期間が短いと監査品質が悪くなるのか)については、そういう切り口の研究があまりないのか、時間の問題ほどの分量はありません。

監査時間など監査品質に興味のある方はどうぞ。買うと高いのですが、大きな図書館や監査法人の図書室にはおいてあると思います。

学者に任せるだけでなく、会計士協会による反論も期待します。

当サイトの関連記事(「本当に監査時間不足なのか」というコラム記事について)

Accounting(企業会計) 2016年 10 月号 [雑誌]Accounting(企業会計) 2016年 10 月号 [雑誌]

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この号では(実務とはほとんど関係ありませんが)「会計人の生き方」という企画記事(早稲田大学の広瀬教授が書いている部分)も興味深かったです。学者の世界もなかなか難しいようです。
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