ジャスダック上場のアーム電子が、民事再生手続きの開始を申請したという記事。負債は62億円です。
「2月に子会社ダイヤテック(埼玉県所沢市)の幹部が売り上げを水増ししていた不正会計処理が発覚し、親会社の信用も悪化、資金繰りが行き詰まったとしている。」
プリント配線基板設計、製造、アッセンブリ
ジャスダック上場
株式会社アーム電子
民事再生法の適用を申請
負債62億円(帝国データバンク)
2009年5月期から継続企業の前提の注記が付いていましたが、さらに子会社の不正会計が足を引っ張ったようです。
「・・・2010年2月に連結子会社における不正経理が判明し、過年度連結決算の修正を行ったものの、2010年5月期決算開示に至らなかった。対外信用も低下していたことで、受注の更なる落ち込みを招き資金繰りがひっ迫、自主再建を断念した。 」
当社連結子会社における不適切な会計処理に関する調査結果のご報告(PDFファイル)(アーム電子のサイトより)(2010年4月)
会社のプレスリリースによると、不正発覚のきっかけは監査人による四半期レビューでした。
「平成21年12月中旬に、監査法人によるダイヤテックへの第2四半期レビューを実施した際に、一部得意先に対する売掛金の滞留が確認され、ダイヤテックより当該滞留が得意先未検収に起因するものであるとの報告を受けました。
監査法人による第3四半期レビューの実施にあたり、ダイヤテックに対し検収状況の確認資料の提出依頼があり、また、アーム電子監査役会にその旨報告がありました。・・・」
不正の手口自体は比較的単純なものです。
「(1)特定取引先の架空の注文を作り上げ、売上計上し、かさ上げ操作を行った。
(2)架空に仕入原価を増減させ、増減額分について利益操作を行った。」
不正の動機も典型的なものです。少し気の毒な感じもします。
「平成21年4月度から大口売上顧客の受注額が大きく減少し、このままでは予算達成できないことが予測でき、売上達成へのプレッシャーと、売上が上がらない為工場の稼動が落ち込み、職を失うかも知れないという不安感が、該当者全員の共通の意識としてあったことが、ヒヤリングで確認されております。」
民事再生手続き開始申立てに関するお知らせ(PDFファイル)
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