LIXILグループが、子会社の不適切取引に関する報告書は全文公開したのに、瀬戸欣哉氏のCEO職を解任した過程に関する調査報告書では、会社側が書き直した「要約版」しか開示していないことを批判した記事。
「LIXILが13日発表したのは住宅やビルのメンテナンスをする子会社における不適切な取引行為に関する調査の中間報告書。会社と利害関係のない祝田法律事務所の熊谷真喜弁護士を委員長とし、ほかに弁護士と公認会計士の計3人からなる特別調査委員会による調査が行われている。
計18ページにわたる中間報告書は個人のプライバシー及び機密情報保護等の観点から部分的に黒塗りになっている箇所がある。とはいえ全文を開示していることは評価に値するだろう。まとめの部分では、子会社で「過年度より、工事完了日操作による先行計上が行われていたことが認められた」などとして「不適切な会計処理が行われた可能性を否定できない」とし、その場合の売り上げや利益に対する影響額まで開示している。
そして最終的にはLIXILグループとして影響が軽微と判断し、過去の決算訂正はしないとも発表している。」
これに対し、瀬戸欣哉氏の解任経緯を調査・検証した調査報告書の方は、要約版のみを会社のウェブサイトに掲載しただけで、東証の適時開示にも掲載していないそうです。
「西村あさひによる調査報告書の要約版は不可解な点がいくつも残る。例えば瀬戸氏を事実上解任した創業家の潮田洋一郎氏(現会長兼CEO、当時は取締役・取締役会議長)と瀬戸氏の間の経営を巡る意見対立が「深刻に存在していた」とあるが、その対立が何かが全く触れられていない。株主からは「不都合な部分を隠している」と批判の声が上がっている。」
日産ゴーン事件や東芝の決算に対してあらた監査法人が意見不表明や限定付き意見を出した問題など、経営の核心に関わる事項については、独立した調査委員会に調べさせることを避ける傾向が見られます。LIXILの場合は、CEO解任について、一応調べさせ、要約版とはいえ結果を公表しているわけですから、まだましといえるかもしれません。
当社子会社における不適切な取引行為に係る特別調査委員会からの中間報告書の受領について(PDFファイル)
PwCも十数人、調査に加わっています。
当社代表執行役の異動における一連の経緯・手続の調査・検証結果について(PDFファイル)
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