米国で上場している中国企業の会計スキャンダルのリスクを取り上げた記事。会計監査の話も出てきます。米国で新しい法律案が出ており、それが可決された場合には、大きな影響が生じるようです。
「中国株式市場のスキャンダルの詳細は、金融メディアの好物だ。康美薬業という中国企業が現金保有額を40億ドルも過大評価していた「会計上のミス」という題材に飛びつかないわけがない。また、中国動物保健品が5年間の財務資料がトラック移送中に盗まれたと発表した時、誰が嘲笑を抑えられただろうか。」
「中国は米当局が米国の取引所に上場している中国企業を単独で監査することを許可していない。主権の侵害と国家機密漏洩の危険にさらされると主張しているためだ。米国最大の取引所に上場する156社の中国企業に投資する米投資家は、中国の監査法人を無条件で信頼しなければならないということだ。」
米当局が中国企業を「監査」することはないので、企業や監査事務所への「検査」のことをいっているのでしょう。
米国で上場している中国企業の時価総額は約1・2兆ドルにも達しており、欧米の年金資金のかなりの部分も投資されているそうです。
「この状況をうけ、共和党のマルコ・ルビオ氏が率いる複数の上院議員は今年、米当局が米国に上場する企業に監査に関する財務記録にアクセスできるよう許可する法律を提案した。同法案は、企業が米国の規制当局に準拠するか、上場廃止かを選択するのに3年の猶予を与えている。
中国政府がこれを受け入れる可能性はほぼゼロであり、この法案が可決された場合は中国企業の上場廃止を引き起こす可能性がある。」
米国の監査監督機関であるPCAOBが、米国上場中国企業の監査事務所をどうやって検査するのかについて、もめていた時期もありましたが、最近は話題になっていないように思われます。それが再燃しつつあるということでしょうか。
ビッグ4や準大手の事務所が米当局と中国当局の板ばさみになるという事態が、再来するのかもしれません。
中国企業がみんな米国で上場廃止になれば、ある意味、解決してしまうわけですが、それでも、米国上場企業の中国子会社の監査を担当する監査事務所に米当局の監督が及ぶかという問題は残ります。
当サイトの関連記事(ビッグ4の中国事務所が米SECから罰金を課せられた事件について)(これはほんの一例です。)
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