監査法人トーマツは、『監査品質に関する報告書 2022』を、2022年10月19日に公表しました。
「監査品質のさらなる向上のための様々な取り組みについて説明しています。」
以下のような構成のカラー版パンフレットです(全110ページ)。
「第1章 Tone at the top:私たちのQualityは、継続的なステークホルダーとの対話を通じて、最新のニーズに応えるよう目標設定されている
第2章 監査チームとメソドロジー:私たちのQualityは、品質を重視する文化と最適化された監査チーム、そしてデジタルテクノロジーによって実現されている
第3章 品質管理システム:私たちのQualityは、厳格な品質管理システムと戦略的な人財開発によって継続的に改善されている
第4章 ファームワイドでの取り組み:私たちのQualityは、グループ及びネットワーク全体のコンプライアンス及びガバナンス体制により支えられている」
そのほか、冒頭部分で、デロイトやデロイトトーマツグループの経営理念、監査品質指標の概要などが示されています。
監査品質指標より。
監査従事者の年間平均執務時間が約2,000時間(職員)というのは、統計数字と比べたわけではありませんが、一般企業並みなのでしょう。パートナーを職員を比べたときに200時間ほど多いのも興味深い点です(クライアントとゴルフしている時間はたぶん含まれていない)。パートナーは職員と比べて、執務時間は1割増し、報酬は2倍、責任は30倍といったところでしょうか。
改正作業が近く始まる「監査法人のガバナンス・コード」については、トーマツの対応状況が付録Cにまとめられています。
詳しく読めば、他にもいろいろと参考になる情報があるかもしれません。他の監査法人の幹部の人も、ライバルを知る意味で、目を通しておいた方がよいかもしれません。宣伝目的もあるとはいえ、少なくとも、うそは書いていないでしょう。
他の大手3監査法人の品質管理報告書は、決算日の関係か(トーマツは5月決算、他は6月決算)、直近年度のものはまだ出ていないようです。昨年の例からすると、11月初旬までには公表されるでしょう。