入院中のはずが…ウソの発注で会社に約3190万円の損害与えた疑い 社員の男と知人の女逮捕 余罪10億円程か
リース会社の元社員の男(54歳)と知人の女(36歳)が、背任容疑で逮捕されたという記事。架空発注で会社におよそ3190万円の損害を与えたとされています。10億円もの余罪があるそうです。
「警察によりますと、××容疑者(元社員)は今年2月19日頃から3月16日頃までの間に、当時社員として働いていたパソコンなどをリースする会社から、11回にわたって必要のないパソコンや付属機器など154台を、OA機器の販売会社に発注しました。
そして5月20日、およそ3190万円を会社から××容疑者(知人)の口座に振り込ませて損害を与えた、背任の疑いが持たれています。
××容疑者(元社員)は、購入した機器を別の会社にリースした形に見せかけていましたが、今年5月末に入金が滞り、不審に思った会社が調べたところ、次々と不正が発覚したため、6月に警察に相談し、捜査が進められると××容疑者(知人)が浮上したということです。」
「発注した機器は××容疑者(知人)の自宅マンションに送られていて、口座に振り込まれた金はその後、××容疑者(元社員)の口座に振り込まれていたということです。」
リースの種類にもよりますが、ファイナンスリースであれば、最初に顧客とのリース契約があって、それに基づき、リース物件の代金を支払うという流れになっているはずです。だとすれば、まず、新規リース契約のチェックが甘かったということなのでしょう。元社員の年齢からすると、それなりの地位の管理職だった可能性があり、そのことによって内部統制の無効化が起きたのかもしれません。
リース物件の代金が、OA機器の販売会社ではなく、知人に振り込まれたという点は、事情がよくわかりませんが、この知人が、リースの相手先ということになっていて、物件代金はリース先が立て替えていたということにしていたとすれば、つじつまが合います。
10億円ほどの余罪とのことなので、10億円のリース債権が被害に遭った会社の資産としていったん計上され、リース料(架空)の回収に応じて、それが徐々に減っていくという経過だったのでしょう。10億円まるまるが損害ということではなく、そこからリース料として回収された金額が、実損なのでしょう。不正で得た資金の一部をリース料支払いに回していれば、しばらくは発覚しませんが、いずれ支払えなくなり、架空のリース契約だったことがバレてしまいます。
記事によれば、元社員の方は知人の女との共謀は否定しているそうです。知人の女も,容疑を一部否認しているそうです。
この箇所は、なんとなくおもしろみがあります。
「容疑者はこのころ体調不良を理由に会社を休んでいて、名古屋市内の病院に入院していると説明していましたが、会社の関係者が見舞いに訪れたところ、入院もしていませんでした。」
いずれにしても、新リース会計基準公表の月らしい不正といえるかもしれません。
オフィス機器のリース会社元社員など背任で逮捕 名古屋(NHK)
「警察によりますと、2人はことし2月から3月にかけて11回にわたり、架空の取り引きでパソコンなど154台の代金、およそ3190万円分を会社に支払わせて損害を与えたとして背任の疑いが持たれています。
不自然な支出に気付いた会社側の調査で発覚し、ことし6月に警察に相談があったということです。
このリース会社では、同様の損害が少なくとも10億円あったということで、警察は関連を捜査しています。」
発覚の経緯が東海テレビの記事とちょっと違うようです。たぶん、最初のきっかけは、入金が滞ったことだったのでは。