2022年版 4大監査法人決算分析 EY新日本有限責任監査法人
新日本監査法人の直近決算(2022年6月期)を分析した記事。
売上は少しずつ増えているものの、成長率は低い水準のようです。
「2022年6月期(以下、2022年度)の売上は1,064億円となり、前期比24億円増加(+2.3%)となっています。」
「2018年度からの年平均成長率(以下、CAGR)は+1.8%であり、継続的に増収を達成しているものの、その成長は緩やかなものになっています。」
監査クライアント数は...
「2022年度の監査クライアント数は3,735社となり、前期比54社増加(+1.5%)となっています。
クライアント数はここ数年減少を続けていましたが、2022年度は増加に転じ、2期前の2020年度末(3,709社)も超えています。
なお4期前の2018年度との比較では154社減少、4.0%のマイナスとなっています。」
1社あたり業務収入は、前期比ではほぼ横ばいですが、5年間でみると着実に増えているようです。(ただし、それがクライアントの規模が大きくなったせいなのか、時間あたり単価も上昇しているのかは、公表数値から把握するのは困難でしょう。)
非監査業務収入は、前期比では増加していますが、5年間をみると、減少した年もあり、変動が激しいようです。
(新日本が加盟しているEYの分割は、今後、(特に非監査に)どういう影響があるのでしょうか。)
営業費用に関しては...
「2022年度の人件費は686億円となり、前期比9億円減少(△1.3%)となっています。」
その代わり、業務委託費が19億円増加しているそうです。
人員・人件費に関しては...
「2022年度の人員数は5,566人、前期比120人減少(△2.1%)となり、EY Japan株式会社への転籍の影響が見て取れます。」
「2022年度の1人当たり報酬給与・賞与は1,016万円となり、前期比7万円減少(△0.7%)と僅かにダウンしています。」
利益は低い水準です。
「利益面では業務委託費、人材開発費用、およびIT及び通信費の増加等により営業減益決算となる一方、税負担額の減少等により当期純利益ベースでは増益決算となっています。
ただし営業利益は3億円、当期純利益は4億円にとどまっており、低利益体質は変わりません。」
社員への報酬で利益を調整しているのでしょうか(その方が税務上有利?)。普通の会社と比べるのは難しいでしょう。
偶発債務の注記にもふれています。東芝粉飾事件の裁判の1兆円偶発債務は、訴えている株主が1名増えて3名となり、金額も増えています。(1兆円が多少増えたところで大問題ではないのかもしれませんが)
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