三菱商事が、シンガポール子会社の不正なデリバティブ取引で約3億2000万ドル(約345億円)の損失が発生する見込みだという記事。
「シンガポールで原油・石油製品の取引を行う子会社の中国籍社員が社内規定に違反する取引を行ったことによるもので、7月以降の原油価格下落で損失が拡大した。
この社員は1月以降デリバティブ取引を繰り返しており、リスク管理システム上のデータを改ざんし、中国の顧客向けの原油取引に関連したヘッジ取引であるかのように装い発生した損失が社内で認識されなくなるようにしていたという。8月中旬以降同社員は欠勤しており、担当していた取引を精査したところ不正が判明した。」
「対象の取引はすでに手じまっているものの、関連取引費用などを含めた損失の確定額を現在精査している。今期(2020年3月期)の業績予想に与える影響については精査中で、見直しが必要になった場合には速やかに発表するとしている。
広報部の判治孝之部長によると、損失は7-9月期の業績に影響を与える可能性があるという。11月6日に4-9月期の決算を発表する予定。」
ロイターの報道によれば、今年1月から不正な取引を行っていたそうですから、当然、前期(2019年3月期)と、当期の第1四半期への影響も調べ、過年度訂正の要否を検討すべきでしょう。今の第2四半期の損失に計上すればいいというものではありません。
三菱商事、デリバティブ子会社で3.2億ドルの損失 元社員が虚偽取引(ロイター)
「三菱商事の説明によると、中国向け原油取引を担当していた元現地社員が1月から、社内規程に違反し、中国向け原油取引に関連したヘッジ取引と偽って取引を行っていた。損失が出るとリスク管理システム上のデータを変更し顧客との取引に関連したヘッジ取引であるかのように装い、損失が社内で認識できなくなる操作を繰り返していたという。7月以降、原油価格が下落したため損失が拡大した。」
当社海外連結子会社での損失発生について(三菱商事)
日本の商社の巨額不正取引事件といえば、この事件でしょう。
住商巨額損失事件のウラ~私が元上司の「簿外取引」を通して学んだこと=江守哲(MONEY VOICE)
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