会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

香港監査当局、中国恒大子会社の調査本格化(ロイターより)

香港監査当局、中国恒大子会社の調査本格化

香港財務報告局(FRC)が、恒大物業集団という中国恒大集団子会社が作成した財務諸表や担当した監査法人について、調査を本格化させたという記事。

以前、この子会社の預金134億元(約2700億円)相当が第三者の担保保証に使われたという報道がありましたが、その問題の関連のようです。

「恒大の内部調査で、物業の20億ドル相当の預金が金融機関に差し押さえられていることが判明し、疑問が生じたためという。

FRCの声明によると、調査対象は2020年と21年上期の恒大物業の財務諸表と、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が手掛けた20年の年次報告書での監査

声明は「差し押さえられた預金や(預金を担保とした)融資の分類、担保の評価、関連先との取引の開示に関して問題点を特定した」としている。」

FRCのプレスリリース。

FRC TO INVESTIGATE ACCOUNTS AND AUDITS OF CHINA EVERGRANDE AND EVERGRANDE PROPERTY SERVICES IN RESPECT OF CERTAIN TRANSACTIONS

調査を行う理由は...

Based on public announcements made by China Evergrande and Evergrande Property Services on 22 July 2022 respectively, the FRC identified questions about the classification of restricted bank deposits and other loans, the measurement of pledge guarantees given and the disclosure of related party transactions in the Accounts, and related questions about the Audits

要するに、第三者の債務のために預金が差し押さえられてしまったということですから、普通の自由に使える預金と同じ表示ではまずいでしょうし、その第三者が最終的に債務を払えず、担保が実行され損失が発生する可能性に対する引当の要否、その第三者が関連当事者であれば、関連当事者取引の注記が正しくなされていたのか(全然関係のない者のために担保提供することはないでしょう)など、当局が調べるべきポイントがいろいろあるのでしょう。

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