日経による業績予想は、海外では例のない「ガラパゴス」だという記事。
「〈 世界第2位の株式市場を抱える日本は、四半期決算発表のたびに悪名高き慣行が繰り返されることで知られている。先週にピークを迎えた決算発表も例外ではない。企業が発表した業績結果が、実は何日も前の日経紙面上にすでに掲載されているのだ。 〉
フィナンシャル・タイムズがこのような記事を掲載するのは、これがロンドンやニューヨークなどの主要株式市場ではまず見られない光景だからだ。決算発表を待たなければ、誰も業績内容を知ることはできない---これが大前提としてあるのだ。
当然のことである。業績数字は株価に大きな影響を与える。すべての投資家に公平に情報が行き渡るよう徹底しなければ、インサイダー取引を招きかねない。「業績数字は決して外部に漏れない」が常識になっている市場関係者にとって、発表前の業績数字が風物詩のように一部メディアに載る東京株式市場の光景は異様に映るのだ。」
具体例も挙げています。
「ブルームバーグは具体例としてトヨタ自動車の2014年3月期決算を挙げている。
同期のトヨタ連結営業利益について、日経は1月30日付朝刊で「2兆3,000億円超えはほぼ確実とみられる」と伝えている。市場では「実績値はアナリスト予想の2兆5,000億円に届かない」と受け止められ、トヨタ株は急落した。5月1日付朝刊で同紙は続報を放ち、「2兆3,000億円前後となったようだ」と報道。会社側が1週間後に発表した実績値は2兆2,900億円で、過去2回の日経予想記事の正確性を裏づけた。
補足しておくと、日経の業績予想記事には事件報道で多用されるあいまいな「関係者によると~」とさえも書かれていない。匿名の情報源も示されていないわけで、まるでニュースがどこからかふと湧き出てきたかのように読める。報道の基本は情報の出所明示であるという点を考えると、異例の書き方だ。」
企業からのリークがなければ実績とほぼ一致するような精度の高い業績予想など書けないはずですから、記事でもふれているように、「企業との癒着」の疑いは濃厚です。
引用されているフィナンシャルタイムズの見出しにあるような「規制当局は見て見ぬふり」というのも問題でしょう。
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(フィナンシャルタイムズの見出し)