千代田化工建設が、海外持分法適用会社の収益が悪化で、出資金や融資などで最大380億円の損失が発生する可能性があるという記事。
「シンガポールのエズラ・ホールディングスとの合弁会社で35%を出資する「イマス・チヨダ・サブシー」の収益が悪化しているという。原油など資源価格の低迷が続いたため、海底油田開発の受注環境が悪化している。」
この関連会社には、日本郵船も出資しており、第3四半期で損失計上しています。
郵船、海底油田で特損130億円 残る資源バブルの傷(日経)
「今回、損失を計上するきっかけとなった海洋プラント事業の合弁会社は、英国に本社を置く「イマス・チヨダ・サブシー」。2016年3月に千代田化工建設、シンガポールの海洋開発会社エズラ・ホールディングスが折半出資で設立した会社で、郵船は同年6月に資本参加したばかりだった。
現在の出資比率は郵船が25%、千代田化工が35%、エズラ社が40%。油田開発に必要な海底や海中の設備の設計や建設などを手掛けており、なかでも、深海の油田開発を目指していた。しかし、北米で産出されるようになったシェールオイルに比べ、深海油田の開発はコストが高くなり、当初の想定よりも開発案件が少なくなっている。将来の事業見通しが厳しいことから、損失計上を決めた。」
設立後1年で(郵船は出資後半年で)大きな損失計上というのは、当初の見積りがよほど甘かったのでしょう。
シンガポールの会社も損失計上見込みだそうです。昨年すでに大きな損失を出していますが、追加で計上するようです。
エズラの債務が急増、千代田化工、日本郵船との合弁の業績悪化で(AsiaX)
「石油・ガスサービス関連企業のエズラ・ホールディングスは、合弁会社イマス・チヨダ・サブシー(ECS)の業績悪化で、1億7,000万米ドル(約190億円)の償却(資産の評価切り下げ)を余儀なくされる可能性があると発表した。
ECSはエズラが40%、千代田化工建設 が35%、日本郵船が25%出資した英国法人で、海底資源の生産に必要な海中・海底(サブシー)関連設備の設計、調達、建設・据え付け業務を展開していたが、業績が悪化した。」
「エズラはECS事業で昨年3~5月期に1億8,130万米ドル(約200億円)の損失を計上している。」
この会社の方が損失計上は早かったということでしょうか。
平成29年3月期通期連結業績予想に影響を与える事態の発生に関するお知らせ (千代田化工建設)(PDFファイル)
「当社として約380 億円のリスクマネーを有する ECS 社の今後の業績回復が当面見通せないことを受けて、当社所有の同社株式に対する評価、 同社への融資にかかる将来の回収可能性等当社の業績に与える影響について精査中であります。」
営業外収益及び特別損失の計上に関するお知らせ(日本郵船)(PDFファイル)
(補足)
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