有線放送を衛星放送に切り替える際に発生するケーブル撤去費用58億円を計上するなどして、USENの8月期の連結当期損益が88億円の赤字となったという記事。
その他、映像子会社ギャガ・コミュニケーションズのコンテンツの利益見通しを監査法人のトーマツに厳しく見積もられ、評価損20億円を営業損失に計上したとのことです。
今後のケーブル撤去の費用を計上することについては、基本的に正しい処理だとは思いますが、仮に、まだ3年はケーブルを使い4年目から切り替えるという場合はどうなのでしょうか。現時点で撤去費用を全額引き当てしてしまうと、今後3年間に配分される撤去費用がなくなってしまいます。米国基準のように、固定資産の撤去費用を取得原価に加算して、撤去費用も反映させた減価償却費を使用期間にわたって計上するのが正しい処理のように思われます。
USENの決算短信でケーブル撤去費用の会計処理方法がどうなっているのか見てみましたが、特別損失に「電柱改修等引当額」5,800百万円が計上されているだけで、会計方針や特別損益の注記では全くふれていませんでした。これではどのような根拠で計上したのかまったくわからず、非常に不親切です。
USENの連結決算短信(PDFファイル)
同社業績予想修正のお知らせ(PDFファイル)
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