日本公認会計士協会の倫理委員会(2021年10月4日開催)の議事要旨及び会議資料が、(開催から1ヶ月超経っていますが)公開されました。
議事要旨によると、協会倫理規則の全面改正が承認されたそうです。
「担当副委員長から、倫理規則の全面改正に関する公開草案について説明がなされた。審議の結果、出席委員全員の賛成により承認され、公開草案を 10 月の役員会に上程することとなった。」
しかし、資料の注意書きによれば、その後「追加の検討事項が生じたため、10 月役員会への上程を見送る」ことになったそうです。
委員の意見より。
「懲戒処分の量定に関するガイドラインについて、列挙されている項目に包含されないバスケット条項として包括規定を定める方向で検討していただきたい。」
「倫理規則の改正案では、PIE 以外の事業体(non-PIE)に対する報酬依存度が5年連続して 30%を超える場合、セーフガードとして意見表明前レビュー又は意見表明後レビューの実施が求められることになる。社会的影響度の観点から、PIE に対する監査業務の監視に注力することはよいが、新たな規定も導入されるので、non-PIE についても何らかの形で確認をした方がよいと考える。」
会議資料には、残念ながら、肝心の倫理規則改正案は含まれていません(わざわざ抜いている)。
倫理規則全面改正については、外部の人を入れた有識者懇談会でも議論されています。
↓
倫理委員会有識者懇談会(2021年9月14日)の議事要旨等の公表について(日本公認会計士協会)
委員の意見より。
「監査報告書における報酬依存度の開示について、開示手段としてはウェブサイトへの掲載も例示されているため、監査報告書だけでなくウェブサイト等の様々な手段を通じて開示することが可能となるように検討いただきたい。」
(報酬依存度15%オーバーを監査報告書に記載するというのは、該当する監査事務所にとっては、クライアントとの関係で、かなりのマイナスでしょう。)
「提供可能な非保証業務について、新たなガイダンスの作成に賛成する。どのようなものが同時提供可能又は禁止になるのかを説明いただくことは、実務上の助けとなる。前回の準備会合で質問したが、IFRS へのコンバージョン業務が提供できるのか、公認会計士の指導的役割が今後も変わらないのか等を、早急に説明いただくことが必要である。」
「報酬関連情報の収集に関しては、従来にない実務が必要になるため、監査役等と会計事務所等の双方が滞りなく対応できるように実務上の指針を示すことを期待する。」
そのほか、報酬及び非保証業務に係る規定の適用時期について議論しています。
協会は「IESBA の適用時期と合わせ、2023 年4月1日以降適用開始(A 案)としたい」といっています。これに対して、賛成と反対の意見があったようです。
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