会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

特別調査委員会による調査報告書開示に関するお知らせ(子会社における広告受発注の不正による費用過少計上)(MTG)

特別調査委員会による調査報告書開示に関するお知らせ(PDFファイル)

MTG(東証グロース)のプレスリリース(2025年2月10日)。

連結子会社であるM’sエージェンシーにおいて、広告に関連する仕入計上に関する文書の改ざん等により、費用の計上年度のズレもしくは未計上の発生している疑いがあることを受けて、調査していた特別調査委員会の調査報告書を公表するとのことです。40ページ弱の報告書が添付されています。

問題の子会社は、「テレビや新聞を中心とした、MTG 及びそのグループ各社...のメディア戦略企画の実施を事業内容とする、いわゆるハウスエージェンシー」(報告書4ページ)という位置づけの会社です。

この会社では、グループ各社からの発注を受けて、広告を仕入れるという流れになっていますが、M’sエージェンシーの代表取締役社長(報告書ではa氏)が自らの判断で広告を発注するようになって、それを隠すために請求書を改ざんしたりして、未計上の費用が発生してしまったということのようです。(詳しくは報告書をご覧ください。広告の受発注などに関する業務手続が詳しく書かれているようです。)

影響額は...

「第 4 会計上の影響額

前記第 3 の 3 に述べた a 氏の不適切行為は、M's の発注先からの請求書を改ざん・偽造することで、事実とは異なる広告の実施月や広告料を MTG の財務経理部門に報告し、あるいは発注先からの請求書を MTG の財務経理部門に提出しないという行為を含んでおり、M's及び MTG 連結の会計処理を誤らせるものであった。

調査対象期間に含まれる四半期累計期間ごとの広告仕入について、現状の会計処理、調査結果に基づいて算定したあるべき計上額、あるべき計上額への修正を行った場合の影響額(いずれも税別)は以下のとおりであり5、差異の一覧は別紙 3 のとおりである。なお、法人税や税効果会計などの派生的影響については、下記には含まれていない。」(報告書27ページ)

2022年9月期は12百万円程度、2023年9月期は30百万円程度の影響額ですが、2024年9月期になって急に増えたようです。

(報告書27ページ)

2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(PDFファイル)をみると、営業利益が40億円弱なので、6億円超の費用計上もれは、重要性がありそうです。

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