2月期決算企業の議案 「1株1円」自社株処分、否決まで3ポイント(記事冒頭のみ)
2月期決算企業の株主総会で反対が多かった議案を紹介し、解説している記事。
「2月期決算企業の定時株主総会の議決結果が出そろい、少数株主の利益を害しかねない議案に機関投資家などが反対票を投じる傾向が鮮明だった。大株主や監査契約を結ぶ監査法人出身者が役員になる議案や、退職慰労金贈呈に関する議案に2~3割の反対票が集まる。公益財団法人支援のため、自社株を1株1円で割り当てるイオンの会社議案では、反対票が広がり否決まで約3ポイント差に迫った。」
役員の選任では、ベルシステム24ホールディングスの総会で、社外監査役や社外取締役の選任議案で、大株主出身者への反対が多かった例を挙げています。
監査法人出身者も...
「親会社以外でも、監査契約を結ぶあずさ監査法人の出身者を監査等委員の社外取締役や社外監査役に選ぶ議案を諮った乃村工芸社や三陽商会で、それぞれ反対票が約2割入った。」
記事の表を見ると、乃村工芸社の、反対が多かった社外役員候補者は、IASBの委員を長く務めた著名な人なので、「あずさ監査法人」枠でなくても、社外役員としてふさわしいのではないかと思われますが...
「親会社以外でも、監査契約を結ぶあずさ監査法人の出身者を監査等委員の社外取締役や社外監査役に選ぶ議案を諮った乃村工芸社や三陽商会で、それぞれ反対票が約2割入った。
1株1円で自己株式を割り当てる議案というのは...
「イオンが諮った自己株処分の特別決議議案にも反対票が集まった。金庫株690万株(発行済み株式の0.79%相当)を1株1円で信託口に割り当てるとし、賛成率が69.78%だった。
配当金を環境保全や教育支援などに取り組む公益財団法人「イオンワンパーセントクラブ」の活動資金に回す目的だが、1株価値の希薄化が嫌気されたと見られる。同様のスキームは過去にトヨタ自動車も実施したが、トヨタは同時に自社株買いを実施したうえで金庫株の放出分と同規模を消却する措置をとった。イオンは「財団の取り組みを理解してもらえるよう社内外に周知していく」(広報担当)としている。」
会計基準まで調べてはいませんが、本来は時価で自己株式を譲渡したとみなし、割当価格1円との差額は寄付金(贈与)としてPLにおいて費用計上するのが実態に合っているように思います。株主から、自己株式の贈与を受けたときに、受贈益を計上しない処理とパラレルになっているのだと思いますが、どちらも、本来は時価で処理して、PLに寄付金や受贈益を計上すべきでしょう。(イオンはそういう処理になっているのでしょうか。)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事