障害基礎年金は国民年金に加入している時に障害を負った(業務、業務外問わず)時に
申請してもらえる年金になります
1.支給要件
障害基礎年金をもらうには全ての要件を満たす必要があります
①初診日
②障害認定日
③保険料納付要件
それでは詳しく見ていきましょう
[box03 title="支給要件"]
①初診日要件
障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(初診日)と呼びます。その初診日において
- 被保険者であること
- 過去に被保険者であったもので60歳以上~65歳未満で日本国内に住所があること(国民年金の加入は20歳~60歳である為)
のどちらかを満たすこと
②障害認定日要件
初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日、又はその傷病が治った日(症状が固定した日)により障害等級の1級または2級の障害の状態に該当すること
③保険料納付要件
初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があるものについては、その被保険者期間については、その被保険者期間のうち
保険料納付期間(保険料を納めた期間)と保険料免除期間(保険料を今は払えないときちんと申告した期間)とを合算した期間が当該保険料の3分の2以上あること。つまり、3分の1を超える保険料未納が無い事
特例:令和8年4月1日前にある傷病で障害になった場合は、初診日の前日において初診日の属する月の前々月までの直近1年で未納がないこと。ただし、65歳までの人に限ります
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2.障害基礎年金の金額
障害基礎年金は障害を負った本人と18歳3月31日までの子供の生活を支えるように設計されています
①障害基礎年金の額(本人)
金額としては障害2級は老齢基礎年金と同じ金額で78万1800円となっています。1級はその1.25倍で97万7125円となっています
障害年金金額 令和2年9月現在
障害1級 | 97万7125円(2級の1.25倍) |
障害2級 | 78万1800円 |
②子供がいる場合
障害基礎年金の受給者に18歳3月31日までの扶養している子供がいる場合
または20歳未満で障害等級1,2級の子供がいる場合に、障害基礎年金に加算されます
また、障害基礎年金を受ける権利が発生して後に、子が出生した時は、出生した日の属する月の翌月から加算されます
なお、子の加算は障害基礎年金から、配偶者の加算は障害厚生年金から行います
子 | 加算額 |
1人目、2人目 | 1人につき22万4900円 |
3人目以降 | 1人につき75000円 |
③金額まとめ
1級の障害基礎年金の年金額 977,125 円(781,700円 × 1.25倍)
2級の障害基礎年金の金額 781,700円
子が1人 | 障害基礎年金の金額 + 224,900円 |
子が2人 | 障害基礎年金の金額 + 224,900円 × 2人 |
子が3人 | 障害基礎年金の金額 + 224,900円 × 2人 + 75000円 |
3.事後重症による障害基礎年金
障害認定日において、障害等級の1級、2級に該当しない場合でも、その後、障害が悪化し、65歳までに障害等級の1級、2級に該当した場合は障害基礎年金が支給されます。
また、事後重症による障害基礎年金は自ら申請する事で、翌月からもらえるようになっているので、障害等級に該当した場合はなるべく早く申請する方が良いです。(さかのぼるということはしません)
また、障害厚生年金と障害基礎年金を同時に受給する人もいると思いますが、障害厚生年金は、障害基礎年金と違い3級まであります。(障害基礎年金は1.2級のみ、障害厚生年金は1.2.3級と障害手当金がある)そして、障害厚生年金の3級は一時金となっており、その後、障害が悪化し、障害厚生年金の等級2級以上に認定された場合は、国民年金も一緒に等級が上がり、事後重症の申請をせずとも申請したことになります。つまり、手続きは障害厚生年金で一緒に行うので、改めて申請する必要はありません
4.基準障害による障害基礎年金
障害等級1.2級に該当しない程度の障害の状態にある時に、新たなケガや病気で障害等級1.2級に該当しない傷病(基準障害)が発生した場合、併合すると障害等級1.2級になる場合は障害基礎年金が支給される
ただし、新たなケガや病気については初診日要件と保険料納付要件を満たさなければならない。また、請求は65歳以降でも良いが、支給は請求した月の翌月からとなる
5.併合認定
障害基礎年金2級をもらっている時に、さらに障害基礎年金2級程度の障害を支給すべき事態が生じた場合には、前後の障害を併合した程度の障害基礎年金が支給されます
また、旧法の障害基礎年金と新法の障害基礎年金は併合できないので、別々に支給されるようになっています
6.20歳前の傷病による障害に基づく障害基礎年金
20歳より前に障害を負った時は、「障害認定日」と「20歳の誕生日」を比べて遅い方の日に障害等級1.2級に該当していたら、支給されます。20歳前の傷病による障害基礎年金には初診日(初めて医者へ行った日)が無いので(正確には初めて医者へ行った日はあるが、国民年金の被保険者ではないので無いという意味)、初診日、保険料納付要件(初診日がないので、保険料納付を見ることが出来ない為)、共に問われないようになっています
「20歳前の傷病による障害基礎年金」は受給権者の前年の所得が一定額を超える時は全部、又は2分の1が支給停止されるようになっています
本人の所得が360万~461万まで | 2分の1停止 |
本人の所得が462万以上 | 全額停止 |
7.支給停止と失権
障害基礎年金は支給停止と失権があります。「支給停止」とは支給を一時的に停止することなので、障害が再開した場合、また、もらえることもあります。「失権」とはその名の通り、権利がなくなるので、障害基礎年金はもらえなくなります
支給停止
- 障害の状態が1.2級に該当しない時
- 同一の障害において、労働基準法による補償が6年間行われるとき
失権
- 死亡した時
- 障害の程度が軽くなって、障害基礎年金と障害厚生年金をもらわず、そのまま65歳になった時。もしくは、65歳になった日から、障害厚生年金の3級程度にも該当しなくなってから3年を経過した日のどちらか遅い日に失権する
7.まとめ
障害基礎年金と言っても、細かく分けられているのでとてもわかりづらいですね
まとめです
1.支給要件は初診日、障害認定日、保険料納付要件があり、全ての要件を満たすと障害基礎年金をもらえる
2.年金の金額は2級が国民年金の満額と同じで1級になるとそれ以上もらえるし、子の加算もある
3.障害が悪化した場合は事後重症を使える
4.障害等級にならない障害が合体すると障害等級1.2級になる場合は基準障害になり、障害基礎年金を受給できる
5.障害等級同士が合体して、等級が上がった場合は合体した後の障害年金だけをもらい、従前の年金は消滅する
6.国民年金を納めていない未成年でも、障害を負った場合は障害基礎年金をもらえる。名前は20歳前傷病の障害基礎年金
7.支給停止は支給が一時的に止まる事。失権はその後同じ症状では障害基礎年金をもらえなくなる事
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