旧約聖書 12 大預言書 解説
大預言書
(口語訳聖書)
イザヤ書から,
キリストの降誕,十字架,神の国
エレミヤ書から,
キリストの愛と「新しい契約」
エゼキエル書から,
「枯れた骨の復活の幻」を通して復活
ダニエル書から,
キリストの再臨を取り上げました。
それぞれの預言書を代表する預言を
載せました。
○
イザヤ書
イザヤは南ユダで活躍します。
イザヤは「ヤハゥエは救い」の意味です。
☆
インマヌエル
(イザヤ7:14口語訳)
「それゆえ,
主はみずから一つのしるしを
あなたがたに与えられる。
見よ,
おとめがみごもって男の子を産む。
その名はインマヌエルととなえられる。」
(イザヤ9:6口語訳)
「ひとりのみどりごが
われわれのために生れた,
ひとりの男の子がわれわれに与えられた。
まつりごとはその肩にあり,
その名は,
『霊妙なる議士,大能の神,
とこしえの父,平和の君』
ととなえられる。」
救い主,キリストの誕生の預言です。
☆
苦難の僕の預言
( イザヤ53:5,6口語訳)
「彼はわれわれのとがのために
傷つけられ,
われわれの不義のために砕かれたのだ。
彼はみずから懲らしめをうけて,
われわれに平安を与え,
その打たれた傷によって,
われわれはいやされたのだ。
われわれはみな羊のように迷って,
おのおの自分の道に向かって行った。
主はわれわれすべての者の不義を,
彼の上におかれた。」
イエス・キリストの十字架につながります。
☆
(イザヤ65:25口語訳)
「『おおかみと小羊とは共に食らい,
ししは牛のようにわらを食らい,
へびはちりを食物とする。
彼らはわが聖なる山の
どこでもそこなうことなく,
やぶることはない』と主は言われる。」
神の国の幻,預言です。
○
エレミヤ書
南ユダヨシヤ王の
申命記改革後に活躍します。
エレミヤは
「ヤハゥエは建設したもう」の意味です。
エレミヤは「涙の預言者」と呼ばれます。
☆
アーモンドの枝
(エレミヤ1:11,12口語訳)
「主の言葉がまたわたしに臨んで言う,
『エレミヤよ,あなたは何を見るか」。
わたしは答えた,
「あめんどうの枝を見ます」。
主はわたしに言われた,
『あなたの見たとおりだ。
わたしは自分の言葉を行おうとして
見張っているのだ』」。
エレミヤの召しです。
☆
永遠の愛
(エレミヤ31:3口語訳)
「主は遠くから彼に現れた。
わたしは限りなき愛をもって
あなたを愛している。
それゆえ,わたしは絶えずあなたに
真実をつくしてきた。」
ユダに対する決定的な
さばきを宣べ伝えますが,
神の愛についても宣べます。
☆
新しい契約
(エレミヤ31:31-33 口語訳)
「主は言われる,
見よ,
わたしがイスラエルの家とユダの家とに
新しい契約を立てる日が来る。
この契約は
わたしが彼らの先祖をその手をとって
エジプトの地から導き出した日に
立てたようなものではない。
わたしは彼らの夫であったのだが,
彼らはそのわたしの契約を
破ったと主は言われる。
しかし,それらの日の後にわたしが
イスラエルの家に立てる契約は
これである。
すなわちわたしは,
わたしの律法を彼らのうちに置き,
その心にしるす。
わたしは彼らの神となり,
彼らはわたしの民となると
主は言われる。」
新しい契約が
与えられると預言が与えられます。
新しい契約とは,
「イエスの血による救いの約束」であり,
「十字架による救いの福音」です。
○
哀歌
エレミヤの書いたものとされます。
エルサレム滅亡の後書かれています。
悲しみを歌った挽歌であり
「キーナー」と呼ばれています。
☆
朝ごとの恵み
(哀歌3:22-26口語訳)
「主のいつくしみは絶えることがなく,
そのあわれみは尽きることがない。
これは朝ごとに新しく,
あなたの真実は大きい。
わが魂は言う,
『主はわたしの受くべき分である,
それゆえ,わたしは彼を待ち望む』と。
主はおのれを待ち望む者と,
おのれを尋ね
主はおのれを待ち望む者と,
おのれを尋ね求める者にむかって
恵みふかい。
主の救を静かに待ち望むことは,
良いことである。」
☆
(哀歌5:18-21口語訳)
「シオンの山は荒れはて,
山犬が
その上を歩いているからである。
しかし主よ,
あなたはとこしえに統べ治められる。
あなたの,
み位は世々絶えることがない。
なぜ,
あなたはわれわれをながく忘れ,
われわれを
久しく捨ておかれるのですか。
主よ,あなたに帰らせてください,
われわれは帰ります。
われわれの日を新たにして,
いにしえの日のようにしてください。」
○
エゼキエル
「エゼキエル」は
「神強めたもう」の意味です。
エゼキエルは捕囚の民として,
ユダからバビロンに
連行されて行きます。
そこで,預言者としての
働きを始めます。
☆
エゼキエルの召し
(エゼキエル1:1-3 口語訳)
「第三十年四月五日に,
わたしがケバル川のほとりで,
捕囚の人々のうちにいた時,
天が開けて,神の幻を見た。
これはエホヤキン王の捕え移された
第五年であって,
その月の五日に,
主の言葉がケバル川のほとり,
カルデヤびとの地でブジの子
祭司エゼキエルに臨み,
主の手がその所で彼の上にあった。」
☆
捕囚の民が,
約束の地に帰ることを預言します。
(エゼキエル36:24口語訳)
「わたしはあなたがたを
諸国民の中から導き出し,
万国から集めて,
あなたがたの国に行かせる。」
そして,
南北両王国の回復の預言が
与えられます。
神から,
民の回復の約束を枯れた骨に
命が与えられるという幻が示されます。
それは,
わたしたちすべての
回復でもあります。
☆
枯れた骨の復活の幻,
枯骨の谷への預言 - イスラエルの回復
(エゼキエル37:1-5口語訳)
「主の手がわたしに臨み,
主はわたしを
主の霊に満たして出て行かせ,
谷の中にわたしを置かれた。
そこには骨が満ちていた。
彼はわたしに谷の周囲を
行きめぐらせた。
見よ,谷の面には,
はなはだ多くの骨があり,
皆いたく枯れていた。
彼はわたしに言われた,
『人の子よ,これらの骨は,
生き返ることができるのか』。
わたしは答えた,
『主なる神よ,あなたはご存じです』。
彼はまたわたしに言われた,
『これらの骨に預言して,言え。
枯れた骨よ,主の言葉を聞け。
主なる神は
これらの骨にこう言われる,
見よ,
わたしはあなたがたのうちに息を入れて,
あなたがたを生かす。』」
聖書は,一貫したテーマがあります。
それは創造,堕落,回復,完成です。
ここでは,回復が幻として示されました。
○
ダニエル
ダニエルは,
「神はわがさばき主」
という意味です。
☆
神の国の預言
(ダニエル7:13,14 口語訳)
「わたしは
また夜の幻のうちに見ていると,
見よ,人の子のような者が,
天の雲に乗ってきて,
日の老いたる者のもとに来ると,
その前に導かれた。
彼に主権と光栄と国とを賜い,
諸民,諸族,諸国語の者を
彼に仕えさせた。
その主権は永遠の主権であって,
なくなることがなく,
その国は滅びることがない。」
ダニエルは
バビロンのネブカデネザル王,
ペルシャ王,メディヤのダリヨス王,
ペルシャのクロス王のもとで活躍しました。
神の国の預言が与えられました。
(ダニエル7:17,18口語訳)
「この四つの大きな獣は,
地に起らんとする四人の王である。
しかしついには,
いと高き者の聖徒が国を受け,
永遠にその国を保って,
世々かぎりなく続く」。
「人の子のような方」とは,
キリストを指しています。
「この方に,
主権と光栄と国が与えられ」とは,
永遠の神の国が
キリストに与えられることです。
この預言は,主イエス・キリストの復活,
昇天,着座により,
天でキリストの勝利が確定し,
神の国としての支配が始まったことを示しています。
(黙示12章とおなじ)
イエスは,神の国を次のように言います。
(マタイ24:30口語訳)
「そのとき,
人の子のしるしが天に現れるであろう。
またそのとき,地のすべての民族は嘆き,
そして力と大いなる栄光とをもって,
人の子が天の雲に乗って来るのを,
人々は見るであろう。」
神の国はイエスと共に現れました。
その完成は,
イエス・キリストが再び来るときです。
2018-09-29