六行学説

2007年10月16日 | Weblog
東洋医学系の勉強をしていて一番最初に困る?のは、五行学説と臓腑/経絡の矛盾でした。
五行学説というのは、「古代中国人が生活の中で自然現象を長期にわたり観察し、そこから導き出したものであり、宇宙観の全ての変化を解き明かす独特な思考システム」だそうです(「」内は針灸学(基礎篇)・東洋学術出版社からの引用です。以下同様)。具体的には、「宇宙間の全ての事物は全て木・火・土・金・水という5種類の基本物質により構成されていると考える」ということです。
この五行学説に基づくと、
季節:春・夏・長夏・秋・冬
方角:東・南・中央・西・北
味 :酸・苦・甘・辛・鹹
と分類されます。
なのに、人間の臓腑になると、なぜか六臓六腑にわけられます。つまり、
臓:肝・心・脾・肺・腎(ここまでが五臓)+心包
腑:胆・小腸・胃・大腸・膀胱(ここまでが五腑)+三焦
です。ついでに言えば、経穴(ツボ)を結ぶ経脈も六臓六腑それぞれに所属するから十二経脈となります。
宇宙間の全ての事物が5種類に分類されるというのに、臓腑が6種類に分類されるのは明らかに矛盾しているのですが、ここら辺については学校の教科書(これを基に国家試験が作成されるので馬鹿には出来ない本)にも記載されていないし、上述の針灸学(基礎編)にも記載されていません。

しかし、現代こよみ読み解き辞典(柏書房)によると、どうやら「六行説」というのもあったらしいです。つまり、万物を6種類に分類する説です。これによると、
方角:東・西・南・北・上(天)・下(地)
味 :苦・酸・甘・辛・鹹・淡
親 :父・母・兄・弟・妻・子
となります。
もちろん、六臓六腑であり、整合性は守られることになります。
残念ながら、この六行説が廃れました。その理由についてはわからないらしいです。

まだまだ奥が深い世界と思います。深い分、面白いと思います。
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