恋愛
憧れは 憧れにあらず
優しさは 優しさにあらず
誰かが言った 恋なんて只の幻
けれど僕はそうは思わない
だって僕は恋をして少し変わった
例え叶わない恋だとしても
それは僕の日常に生きる力をくれた
恋愛は 愛情にあらず
そんなもの 一時の感情に過ぎず
確かにそれは 一方的な想い
けれど人生に花を与える
つまらない日常に光を与えてくれる
それが一時の感情だとしても
それは僕の人生に大きな変化をもたらす
感情は 刻々と変わる
相手次第で 毒にも薬にもなる
それがどうした 何が悪い
僕は僕らしく生きる
例え苦しみが待っていたとしても
そんな事は僕にとって関係ない
僕は僕に正直でありたいと思っている
人の心なんて 移ろうもの
変わるのは 当たり前の事
それは最初から 解っている
だから人は努力する
今よりもっと自分を高めようと
恋とはそういうもの違うだろうか
失恋も後悔もしたくないから僕は進む
春色
まだ今日が始まったばかりの早朝
春コートを着た 青年を見た
彼は春風の中 コートの裾を翻して
颯爽と軽い足取りで歩いていた
僕はそれをカフェの二階の窓から眺めていた
彼は地下鉄の駅に向かって 階段を降りた
彼の髪と春コートは 一層はためいた
なんだか今日は良い日になりそうだ
うららかに春めいた日の昼休み
春コートを着た 青年が居た
彼は誰かを待っている様だった
彼は顔を上げると軽く微笑んで手を挙げた
もう一人春色のジャケットを着た青年が来た
彼の春色ともう一人 春色の青年
二人はにこやかに笑って消えた
まだ少し寒いけれど春の日の
清々しくて 心和む光景だ
爽やかな彼らが少しだけ羨ましい
僕はふと彼らの幸せを願う自分に気付いた
こんな風に誰かの幸せを願えるようになったのも
僕が少しだけ 大人になれたのかも
ある春の日の何気ない出来事
君の三歩と僕の五歩
君はとても背が高い 僕は小柄な方なのに
だから僕が五歩で進む距離を 君は三歩で歩く
でも隣に並んで歩けるように 君はゆっくり歩く
そんな気遣いが嬉しくて 僕は君が大好きだ
いつも僕の話を 優しい笑顔で聴いてくれる
僕が落ち込むと 励ましてくれる
僕が笑うと君も笑う 陽だまりのような存在
君はとても頭が良い 僕の勉強を見てくれる
だから僕は君に憧れている つい甘えてしまう
だけど本当は頑張らなきゃって 解っている
君と同じ大学に入りたいから 僕も勉強した
晴れてこの春 同じ大学に通っている
全部君のおかげ ありがとう
いつも隣に居てくれる とても大切な人なんだ
君の声はとても落ち着く だから安心できる
どんなに緊張していても 君に会うと解ける
僕にとっては魔法使い 僕に勇気をくれる
本当に君はすごい人だね 何でも出来る
辛そうな顔は 絶対に見せない
僕より努力してるのに 悔しいな
流石に口には出せないけれど 感謝してるんだ
幼い頃から君の背を見て 追いかけていた
いつか隣に並べる様に それを君は知っていた
だから先を歩いていても 立ち止まり振り返る
早くおいでとばかりに 手を差し伸べる
本当に君は 優しい人だね
君が居てくれたから 今の僕が居る
そんな事を言ったらきっと 君は照れるかな