カタスミ

『マカロンはマカロン』近藤史恵著

ビストロ・パ・マルシリーズ第三弾でございます。
以下ネタバレあり。




















■コウノトリが運ぶもの
近所の自然食品店の安倍さんはフレンチが嫌いみたい?
フレンチと和解する為にビストロ・パ・マルを訪れたが
コウノトリの模様の陶器の鍋について質問された三舟シェフは
彼女の父親の思いを推理する。

陶器の鍋の質問の時点ではまだ安倍さんは
三舟シェフに自分の父親の事は一切話してないのだが
この段階で三舟さんは全部気付いちゃいます。
そんなもん分かるかーい!って思うけど
三舟さんは分かります。だって能力者だから。
父親がフランス料理のシェフでバターと生クリームをたっぷり
使って作るのが得意で、
安倍さんが乳製品のアレルギー持ちで食べられない。
なのでパン屋で使う陶器の鍋をプレゼントして
元パン屋である安倍さんに自分の料理をふるまおうとした。
…いや、そんなまどろっこしい事やらずに
三舟シェフがやってるみたいに
乳製品無しで料理作れば良いんじゃなかろうか…
よく分からんかったわ…

■青い果実のタルト
とあるブログにビストロ・パ・マルが紹介されたが
取り扱いの無いブルーベリーのタルトが話題になっていた。
ブロガーはよく来る夫婦の奥様の方。
実はアリバイ作りにこのブログが使われていたのであった…

不倫話?こんなもん下手にアリバイ作りなんかした方が
後でボロが出る気がするのですが…
後ろめたさがある分より隠そうとする気持ちが出ちゃうのかね。
でもわざわざ写真を友達に撮ってもらうなんて面倒な事せず
他にもいろいろアリバイ作りの方法があるでしょうに。
そのうちその友達からばらされそうww

■共犯のピ・エド・コション
常連のお客様が再婚する事に。
息子と再婚相手の男性が意気投合。
それはなぜか…?

骨で作るプラモデル。
まぁ、無くは無いでしょうが
無理矢理フランス料理から謎を作り出そうとしてるからか
そんな事あるかい!って思う事が結構多い。
後三舟シェフの料理人の勘は相変わらずAI並である。

■追憶のブーダン・ノワール
血で作ったソーセージが大好物の犬飼さん。
今度結婚する中国人のリンさんに食べさせたいが
リンさんはあまり食べたくなさそう。
一口でいいから!とリンさんにブーダン・ノワールを勧める
犬飼さんを見かねて三舟シェフが助け船を出す。
リンさんが食べたくなかった理由とは…

前にお前血で作った私の故郷の料理
気持ち悪いって言っとったやんけ!
なのにフランス料理やったら食うんかい!
はぁ?私の故郷の事バカにしてんのか
この西洋かぶれが!!!!

ってのをもうちょっと丁寧にして
相手に伝えれば良いのにね!

■ムッシュ・パピヨンに伝言を
海外に赴任した日本人がその地で女性を好きになるが
その女性は病気で彼の元を去ってしまった。
その後彼女は病気を苦に自殺したという話を聞き
未だに忘れられない男性。
当時の彼女が最後にくれたのが
赤砂糖衣のプラリーヌ入りの大きなブリオッシュ。
そこから彼女のメッセージを紐解く三舟シェフであった。

いや、だから、パンとかにメッセージを込めずに
言葉で言え!伝わるかーい!
スーパーコンピュータ三舟だからこそ全部解明したけど
そんなもん一般市民は全員分からんわい。
別に連絡くれたらいいけど、くれなくてもいい
くらいの気持ちだからこんな面倒な伝言したのか…と勘ぐるわ。
結局彼女は生きていたのが、なんかこの流れだと
連絡する気が失せるんだが…

■マカロンはマカロン
三舟シェフの昔の知り合いの店に雇われた岸部さん。
香水や化粧をやんわり注意され、おばあさんのお見舞いに行った後
連絡が取れなくなる。
残されたのはマカロンと『マカロンはマカロン』というメッセージ。
彼女は一体なぜ姿を消したのか…

だからさぁ…言え!!
そんな謎メッセージを残すくらいなら全部言え!
私ならもう事情も話さず謎のマカロンだけ残された地点で
男であろうと女であろうとトランスジェンダーであろうと
クビじゃクビ!!
そもそもこれってトランスジェンダーで悩んでいる男性から女性の話
だったのだが、社会人不適合の方が大きすぎて
トランスジェンダーとかじゃないだろ…と思ってしまった。
自分の問題を言葉として相手に伝えられずに
マカロン作って送ってくるやつは何やってもあかんぞ!
まずはそこから見直して…

この作者さんはLGBTへの理解を深めたいのか
溝を深めたいのか分からんわ…
無理に話に絡めなくて良いのよ…

■タルタルステーキの罠
生肉を使ったタルタルステーキを
妊婦さんが食べてしまった!
それには理由があって…

妊婦がトキソプラズマに感染してて
それを姑から厳しく追及されるのを恐れた妊婦が
姑にタルタルステーキを注文させて
それをひと口もらい、お義母さんのせいで!
という状況を作ろうとしていたって話でした。

妊婦がいるって分かってるなら店側は
まずはひと言言うべきなのでしょうが
そうすると話が成り立たないので
話を成り立たせる為に言わない展開。
なのでまた不自然が発生。

今となっては日本ではタルタルステーキって
提供されないのでしょうね。

■ヴィンテージワインと友情
お食事会で使われたビストロ・パ・マル。
一人の女性だけどうも周りから好かれてないよう。
その女性は高いワインを持ち込み、みんなに好かれようと努力するが
そんな女性にひと言三舟シェフが苦言を呈す。

今回は他の話と違い
割と良い流れだったんじゃ無いかな?
フランス料理とワイン、持ち込みにくそ高いワイン
金づるとしか思われてない女性、などなど
そもそも店にワインを持ち込む人がどれだけいるのかってのは
全然知らないからさらっと読めたのかもだけど。
全体的に不自然な感じは無く、読んだ後に『なるほど』と思えたお話。

以上。
やっぱ全体的に不自然さが目に付く。
多分フランス料理から無理矢理謎を発生させて
話を成り立たせようとする為に
普通ならこの展開だろう、という展開に持って行けず
強引な流れになっちゃうのかなぁ、と思ったり。
食事だけは毎回本当に美味しそう。
星は3つ。
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