カタスミ

『私をくいとめて』綿矢りさ著

映画が好評みたいなので読んでみました。
以下ネタバレあり。















お一人様を満喫しているアラサーみつ子に
恋愛関係になりそうな男性が現れるものの
燃えあがる訳でもなく、のらりくらりまったりと
日々の生活を過ごしながらちょっとずつ
前に進む感じのお話です。

基本的にはお一人様アラサー女性の平凡な日常なので、
時々すごく冗長的になってしまう部分はありましたが
一日体験行ったり、マッサージ行ったり、イタリア行ったり、
活動的な日々が面白おかしく描かれておりました。
ひとつひとつのエピソードは普段の生活であるある、って感じなので
自分の実体験に添えれば普通に読み進められるけど、
あんまり興味の無いエピソードだとだらだら書かれてる感じがして
途中で飽きちゃうのがちょっと残念。

この話の中で面白い存在なのは
みつ子の頭の中の相談役『A』の存在で、
もう一人のみつ子なのになぜか男性なのですよね。
なので、お一人様満喫してるけど
やっぱりどこかで男性に頼りたいっていう願望が
Aの性別に現れてるんじゃないかなぁと思ったり。

くいとめて!って言ってるけど
そんな大きな暴走をする訳でもなく
ちょっとしたすれ違いからのパニックで
くいとめるのはやっぱりAな訳で。
脳内だけどその存在を人物として見せてきた演出は
なかなか良かったなぁ…って思いました。
消えてしまったようで、完全には消えてない感じも良い感じ。

全体的にまったりのんびり、だらだらした感もあるけれど
最後のAとの対面はとても良かったし、ちょっとうるっと来たので
プラマイで星は3つくらいかなぁ…
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