カタスミ

『火車』宮部みゆき著

とりあえず面白い本は無いかとネットで探していた時に
目にしたタイトルだったので読んでみました。
以下ネタバレあり。























主人公は怪我で休職中の刑事本間。
そこに親戚の和也が失踪した婚約者関根彰子を探して欲しいと依頼してくる。
調べていくうちに彰子は別の誰かに戸籍を乗っ取られていた事が分かってくる。
和也と婚約した彰子は本物の彰子ではなかった。
では誰なのか。
彰子はどこに行ったのか。
謎の彼女を追いかける事でだんだんと
闇深い犯罪が浮き彫りになってくる…

といった感じの話でした。

和也の婚約者関根彰子は自身の自己破産が和也にばれた直後
失踪してしまった模様。
関根彰子の職場や、自己破産を手伝った弁護士事務所に聞き込むが
どうも関根彰子の風貌が和也の婚約者と異なる事に気づき
他人が関根彰子のフリをして生きていた事が分かる。
関根彰子はどこで入れ替わったのか。
彰子の過去をだんだんと遡りはじめる本間。

1992年からさらに過去に遡るので
結構前の話になりますが
当時の自己破産やサラ金に手を出した人の末路
みたいなものが切々と書かれていました。
クレジットを気軽に使いすぎて
最後には返せないくらいの莫大な借金になっていたり
マイホームを買いたくて無理して借金したら
サラ金に終われる身になったり…
自分で作った借金ならまだしも
親の借金肩代わりさせられるのはほんと可哀想…

ページ数は結構あるものの
とくかく謎の彼女を追いかける展開なのでダラダラ続く感じ。
読めなくは無いけど、めっちゃ気になって続き読む…
とかは全然無かった。
謎の彼女の正体が分かった地点でも
大きな展開がないのでまたダラダラ読む…
ただ、謎の女喬子の足取りを辿っていき、
関根彰子の母親が死んだのは喬子のせいではなかった
という事が分かった辺りからちょっと面白くなってくる。

喬子は親の借金の肩代わりに
サラ金に相当ひどい目に合わされていたようで
そこから抜け出す為に他人になる事を決意。
通販会社で自分が入れ替われる人間を探し
そこで何人かピックアップしていた模様。
数少ない家族を排除し、最後には本人を排除して
その名前を手に入れる算段。
その労力と執念はすごいと思うけど
他に何かやり方は無かったのかねぇ…
彰子の母親は殺してなかったけど
他の候補の家族殺してるし
最後には関根彰子殺してるし
結局は殺人はやっちゃってるんだよねぇ…
海外にでも逃げれば良かったのに…
後なんで整形しないのかが謎だった。

喬子は、関根彰子のふりがもう無理となり、
元々第一候補であった木村こずえを再度ターゲットに。
本間もすんでの所でそれを突き止める。
こずえに了承を得、喬子をおびき出す作戦。
待ち合わせのレストランに彼女がやってきて
こずえと談笑している所に近づいていき
喬子の肩に手をかける…

って所で終わった!
いやぁぁ!めっちゃ良いところで終わるやん!
その先が読みたい!
でもこの終わり方好きぃぃぃ!!
ってなりました(笑)

通販会社で喬子が付き合っていた片瀬は
意図せず殺人の手伝いをさせられた訳で
ショックでかいだろうなぁ…
後、和也もプライド高そうだからショックでかそう(笑)
割とクズだったが、こいつが本間に依頼しなかったら
もう1人犠牲者が出てたからお手柄なのかも。
喬子は可哀想な背景があるから幸せになって欲しいけど
2人も殺してしまった地点でもうどう頑張っても無理だよなぁ…
安直な考えに至らず、もう少し何か手立てが無いか
探して欲しかったなぁ…
意外にもう追われる事はないので
刑務所の方が安息を得られるのかもしれない…

ダラダラ読む系の話でしたが、最後で挽回した。
他の人の感想見てると終わり方に不満がある人も結構いたけど
自分は最高やなこの終わり方…って感じでしたw
星は4つ。
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