カタスミ

『長い長い殺人』宮部みゆき著

ひとつの保険金殺人事件が、刑事、探偵、目撃者、犯人、などなど
それぞれの『財布』目線で語られる。
以下ネタバレあり。




















里見八犬伝の繋ぎで読んだんですが、
いやはや大当りでした!

それぞれ話の語り手が『財布』って所が面白いし
様々な登場人物の身近にいる財布目線で
保険金殺人の謎がだんだんと暴かれていくのが
なんともハラハラすると言いますか、はよ先を読ませろと…(笑)

特に少年の財布は頑張れ!少年頑張れ!と
お財布と一緒に少年を応援してしましましたが
その後残念な事に、少年の危惧した事態が起こり
大好きな叔母の早苗さんが惨殺されてしまうと言う悲しい事態…

探偵の財布の時に、早苗さんが相談に行って、
探偵の亡くなった奥さんに似てるって言うから
お!?この事件をきっかけにこの2人はくっつくのか…?
嫌いじゃない展開ですぞ…
とかちょっと期待したのですが…
悲しい…

昔の親友の話とか、全然関係ない殺人事件とかも絡んできて
大筋の保険金殺人とは少し道が外れたりして
この話いる?とか思ったりもしましたが
話自体は面白く読めました。
犯人を推理していく読み方している人には
真犯人が唐突に出てくるので『は!?』ってなるかもですが
私はただ物語として追っていたので
なるほどなるほど…とすんなり流れに乗れました。

犯人と思われていた人物達は途中でアリバイが成立し、
どう見てもこいつら怪しいのにどうなるのどうなるの!?
と思っていたので、ちゃんと真相に辿り着けて良かった。
探偵が相当頑張ったと思う。少年もね。

これ宮部みゆきが28歳の頃に書いた作品って
後書きで知って、ふぁっ!?ってなりましたw
やっぱ才能ある人は年齢関係ないなぁ…
まぁ、年齢を重ねる事で才能開花する人もいるだろうけど。
いろいろと見せ方が上手いなぁと思うお話でした。

今年はあんまり面白い作品が無くてはずれだなぁ…と思ってたのですが
最後の最後で良いの引けました。ありがとうございます。
星は4つ。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「小説感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事