『そして扉が閉ざされた』岡嶋二人著

3ヶ月前に事故死した富豪の娘の死をきっかけに
4人の男女が核シェルターに監禁されることに。
そこで死んだ娘が実は殺されたのではないか、という事になり
4人で真相を解明していく。

以下ネタバレあり。




















とりあえず登場人物全員クズでしたｗｗ
主人公は富豪の娘咲子の彼氏である雄一ですが
こいつ咲子と別れたいと思ってるんですけど
別れる前に鮎美という女に惚れてモーションかけ始めます。
鮎美も鮎美で正志という彼氏がいるのに
雄一にせまられてまんざらでもねぇ…

富豪の娘咲子は人を小馬鹿にして
自分の見栄ばっか重視だし
正志は鮎美に惚れすぎてぽんこつだし
唯一の独り身千鶴もまた見栄っ張りで嘘つき。

とにかくまぁ、出てくる登場キャラが全員クズ過ぎて
別に誰が死んでもなんとも思わない状況であった…
ただ、死んだ咲子の母親に
お前らが咲子を殺した！と
核シェルターに全員監禁されてしまう状況が
お話を面白くしてくれました。

とにかく登場キャラはクズですが
話は結構面白くて読み進めていけました。
ただオチが残念すぎてがっかりでした。

早い話、咲子は雄一のせいで
亡くなってしまったのですが
雄一はその事に気づかず、
勝手に雄一が殺したと勘違いした鮎美が
正志を利用して咲子の死体を処理したが為に
話がややこしくなってる…って事でした。

咲子がアイスピックをタオルに包んで
自分の座った場所の後ろに置いた為に
雄一に押された時、偶然その刃先が咲子にクリーンヒットしてしまったらしい…
なんでわざわざ危ない方こっちに向けて置くの…？
普通尖ってる方は奥に向けると思うんだけど。
なんかの時にとっさに持つ為にも
持ち手を自分の方に向けるでしょうよ…
もう死にます！みたいな置き方が不自然すぎて
ありえねぇ！ってなりました。

雄一が鮎美鮎美言ってるのも
最初は出会って4日くらいしか一緒にいないし
監禁生活含んでも1週間経つか経たないかくらい…？
好きだへったくれだ言われても軽すぎだわ…
その点正志は昔から鮎美に惚れていたので
出会って4日の男の為に
散々その恋心を利用されて気の毒ではあった。
もう女見る目なさ過ぎなのでこれを機に目を覚ましてくれ…

千鶴については、実は自分はずっとこの人が犯人だと思ってたのですわ。
途中で『あたし、また、殺されるのかと思ったわ』って台詞があって
また、って何？またって、不自然過ぎんこの台詞？ってなりまして。
何かしら殺されそうになった経験が過去にあったって事…？と思いました。
後唐突に脱ぎ始めるので、これは最初に書いてあった
咲子に盲腸の手術跡があるという事を見せる為の行為か！？
ということは実は千鶴は咲子…！？！？
などという見当外れの深読みをしていたのですが
全くそんなことは無く、なんなら千鶴が一番何も関与してない被害者だったので
もうがっかりですわがっかり。

密室で繰り広げられる話って結構好きなので
途中までは面白かったのですが
キャラに全然感情移入が出来なかったのと
オチに結構な無理があるのと
自分が予想した事がことごとく外れたので（笑）
なんか最後はいまいちでした。
もうちょい真相が納得いくものだったらよかったかなぁ…
途中まで面白かっただけに惜しかったです。
星は3.5。