カタスミ

『Another2001(下)』綾辻行人著

さて、Another2001の続きです。
以下Another・Another2001上巻含みネタバレあり。





















面白くてサクサク読めました。
特に、死者である赤沢を死に還した後から
なかなか読むのが止められない…
牧瀬さんが出てきたあたりから
死者は二人なんだろうなぁ…とは思っていましたが
その結論に辿り着くまで長すぎてまどろっこしいわ!!
二人のいないものでバランスが取れてたんだから
死者二人じゃね…?ってすぐに辿り着きそうなもんだけど。
そもそも想と牧瀬さんがいないクラスに一人の死者がまぎれていたら
一席空くんだよなぁ…これは上巻で早々に気付いた訳ですし。
死者を死に還して、8月は何も起こらなくて、
安心してたら9月からばったばったと人が死に始め、
そのあたりですぐ気付きそうなものですが
そこはまぁ全然気付かないんですよねぇ…
さすがに引っ張りすぎだと思います…

二人目の死者は見崎鳴が写真を見て気付かなかった訳ですから
その時写真に写ってない葉住ないしは牧瀬のどちらかなのは明らかで
途中で見崎鳴の双子の妹の話とかが出てきたりして
ああ~、これは牧瀬さんが双子の妹の未咲なのか…と
なんとなくの予想はつきました。
それぞれの表題に登場人物のイニシャルがあてがわれていて
M.Mってあったから見崎鳴だと思ってたけど、
なるほど、牧瀬未咲ねぇ…
名字が変わった理由も途中で解説されていたし
なるほどなるほど…と思ったり。

ただ、災厄がえげつなすぎて、
ちょっとやりすぎ感が否めない…^^;
まさか、と思う原因からみんな死んじゃうのに
なぜか矢木沢だけ助かったのも謎でした。(助かって良かったけども)
想も夏風邪引いたり、薬飲みすぎたりしてるのに
割とスルーされてるのは、やっぱ主人公補正ですかね…
9月以降人が死にすぎて、ちょっと失笑気味になってしまったw
もう少し、どろりと恐怖を演出してくれた方が怖かったかなぁ…
殺しゃいいってもんじゃないんだよ…(-_-)

見崎鳴が牧瀬未咲を殺して、今年の災厄は終わり。
しかしとにかくまぁ、大惨事過ぎて
終わった所で手放しで喜べないわ…
そろそろ国ぐるみで真剣にこの災厄について考えて欲しい所ですが
改ざんによって人々の記憶に残らないこの現象について
なかなか継続して対策するのは難しいのかもしれない。

前作の主人公榊原恒一の登場の仕方は
なかなか美味しくて良かったです。
良い所持って行くなぁw

今回死者が二人、二人目は未咲、ってのはなんとなく
予想は付いたのですが、たまたま二人混じってたと思っていたら
対策で最初からいないものを二人にしてしまったが為に
途中で死者が増えてしまった、という結論だったので
そこは予想外で驚きました。
現象による改ざん、という理由付けで
前作よりご都合主義感が強かったのがマイナスポイントかなぁ…?
便利な言い逃れだよなぁ改ざんってww
前作の死者が先生だったことは全く記録されてないみたいなので
今回死者が二人になった事も記録されないのかな…?
8月の死者がいなかった理由が分からないのが一番もやっときました。
なんかこれまだ続編があるらしいので
その後の話で8月の死者がいなかった事が大きく関わってくるのかしら…?
これより8年後の話らしいので、恐らく今回
意味ありげに出てきてあまり活躍の場がなかった希羽ちゃんあたりが
主人公になりそうですね~。

面白かったけど、ご都合主義が多くて
ちょっとしらける部分もあった。
後、現在から回想シーンに入って現在…みたいな場面が多くて
途中で、「あれ?今なにやってたんだっけ…?」と混乱する事が
しばしばありました。
やはり前作の面白さは超えられなかったかなぁ…
でも最後の方はだだだ~!っと読んでしまったので
それなりに楽しめました。
星は4つです。
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