カタスミ

『本日のメニューは。』行成薫著

食をテーマにした短編5話。
今年初のご飯系小説かな?
以下ネタバレあり。



















結構うるっとくる話が多くて良かった。
でもご飯が美味しそう!とかそういうのは
あんまり感じなかったけど^^;

第一話のラーメンの話は
病気の父親の所へ4分で出前する為にみんなでリレーするのですが
ちょっと登場人物が多すぎるかなぁ…という印象。
後の話に出てくるからその為に出したのかもだけど
スケボー選手は必要なかったような。
超高速で走る男に任せておけば良かった気もする。
結局子供の父親は死んじゃったのかねぇ?
ラーメンは美味しく食べられたのか?
その辺ももう少し見えても良かったかも。

第二話のおにぎりの話はちょっとうるうるした。
先が気になって結構読み進めてしまったなぁ。
ただ、この話は完全に母親がダメだと思うけど
なんでイチゴのご飯がいけると思ったし…
さすがにイチゴご飯はいくら映えても
いいねあんまりつかないんじゃない?
娘も遠慮せずにこんなくそまずい飯が食えるか!
いっぺん食ってみろ!!と
捨てずに突き返せば良かったのでないか…?
どう考えてもやべぇお弁当なんだから
文句言わずに食べてるふりするから行けると思われるんだよ。
とか思ったり。

第三話のまんぷく食堂もこれまた良かった。
こんな量はとてもじゃないけど私は食べられないけど
痩せの大食いがまんぷくになるまで食べられて良かった。
でもこの食堂そのうち大赤字で潰れそうだが^^;

第四話はちょっと切ない系で
長年営業していた洋食店の最後の一日の話。
ずっと継ぎ足してきた命のドミグラスソースを
この日すっかり終えてしまうという。
自分の味が引き継がれないまま終わり
一つの時代が終わった。
…がこの話は第五話に続く。

第五話は脱サラしてキッチンカーで
ロコモコを売る夫婦の話。
上手く行かないがいろんな人の助けを借りて
究極のロコモコ丼を作り上げる。
その中に第四話の洋食屋さんが出てきて
ドミグラスソースのレシピを伝授するという。
毎日継ぎ足して、というのは無理でも
少しだけでも味が引き継がれたのは良かった。

別の話の登場人物が他の話にも出てきたりで
いろいろと絡みあうのは良いですね。
第一話以外はだいたい面白かった。
第一話も別に悪くは無いんだけど
短編の割に登場人物が多すぎてわさわさしいていたのが残念。
でも全体的に心温まる系のお話で癒やされました。
星は4つ。
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