カタスミ

『ブレイン・ドレイン』関俊介著

邪悪な欠落者を脳鑑定で識別し、隔離する世界。
自分も欠落者の烙印を押された主人公が特殊能力を生かし、
自分は欠落者ではないという事を証明していく話。
以下ネタバレあり。




















主人公のセイは欠落者として島に隔離されているが
自分が島にいる者と同じ欠落者ではないと言う事を知ってもらう為
外部の警察に協力している。
それは自分の『少し先の相手の行動が読める』特殊能力を生かし
島に逃げ込んだ外部の犯罪者を捕まえる事であった。
ある日外部の警察岡林から、島に渡った外部の一般市民
金沢菜名子を安全に保護して島の外に出す、という依頼があり
それを遂行していくうちに、菜名子がこの脳鑑定に欠陥がある事を
証明する為の証拠品を得にやってきた事を知る。
欠落者でないものまで欠落者として島に送っているという事を
暴く菜名子に協力する為、セイは島中の欠落者を敵に回す事になる。
同じ島の欠落者キョウカに協力してもらいながら
なんとか島から出ようと画策する。

…って感じの話です。
結構ページ数あるのですがあんまり面白くなかった…
あらすじ読んだ時は面白そうに感じたんだけど
なんでかなぁ…?と考えてみた所
自分的には以下の点が影響しているかなぁ?と思う。

・まず、凶悪な人間を島に放り込んで、その後ほったらかしってのがないわぁ…
それこそ凶悪な人間同士で協力して島から出られたらとんでもないと思うのですが…
まぁ、出入り口は厳重に守られてるんだろうけど
中が無法地帯というか、そもそも中にいる人間も
犯罪者ではなくて、犯罪を犯す邪悪性を秘めているって事だと思うので
まだ犯罪してないって事でしょう?(中にはしてるやつもいるけど)
そうなると、それを秘めてても衝動を押さえて生活していた人もいるでしょうし
もうちょっと人間らしい生活を確保してもいいのではないかと。
家畜レベルの生活で、看守みたいなのも全然いないので
島の内部の状況がちょっとなぁ…と思った次第。

・セイがキョウカを早々に信用しているのがなんか変な感じ。
当然欠落者のいる島なんだから
キョウカが急に近寄ってきたらちょっと疑えば良いのに
全然疑わないのな。他の人は疑ってるのに。
なので全体的にキョウカにやられっぱなしって感じでイライラする。

・セイの特殊能力は雑魚には有利なんだけど
結局キョウカみたいなラスボス級悪人の前では
セイの人の良さみたいなのが裏目に出て
全然力を生かし切れてない気がする。
例えばキョウカの邪悪性をその特殊能力で見破るとかの演出があったら良かったのに
ほんと暴力に訴える時しかその力役に立たんのよなぁ…
もう少し特殊能力でいろいろ打開して行ければ良かった気がする。
早々にその能力がキョウカにばれてしまってるのも残念な所。

・とにかくまぁ、キョウカにやられっぱなしなのが胸くそだった。
なんでこの人島勝手に出てるの?
島の警備ガバガバやんけ…
ボロボロにやられて最後の最後でやっと何とか隙を見てやっつけたけど
あまりにもボロボロにやられすぎてて、爽快感とかはないよなぁ。
キョウカが無双すぎたのが敗因か…

ハラハラすべきシーンとかは一応あるんだけど
セイの特殊能力があんまり役に立たないので
読んでも別に面白くもなんともない…
長いのに全体的に面白い部分がほぼなかった…
読むのしんどいってレベルで面白くないって事も無かったので
ダラダラ読み続けた感じです。
教授に関しては早々に特別な人だろうなぁとは思っていたので
最後のオチはまぁ、納得。
星は2.5かな…?
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