カタスミ

『ペッパーズ・ゴースト』伊坂幸太郎著

他人の飛沫がかかると
その人の未来が見えてしまう教師が
テロを防ぐ為奮闘するお話。
以下ネタバレあり。




















ストーリーが面白そうだったので購入。
正直言うとう~ん、いまいち?
とにかく詰め込みすぎなせいか
とっちらかってる印象。
未来が見える教師壇先生、
猫をいじめたやつらに復讐するネコジゴハンターのロシアンブル、
カンフーのできるとあるサークルメンバーの成海彪子、
この3人の目線でストーリーが語られていくのですが、
この続きが読みたい!と思ったら次のキャラの違う話が始まるので
ちょっとストレス…

人の飛沫を浴びるとその人の未来が少しだけ見える体質の壇先生が
教え子の里美大地の飛沫を浴び、新幹線脱線事故を予知して
大地とその祖母を助ける事が発端となり、テロ事件へと巻き込まれていきます。

それとは別に、壇先生の生徒が書いていた小説のお話で、
猫を地獄に送る会、と称して猫を虐待していた人間に復讐していく
ネコジゴハンターのロシアンブルとアメショーの話も
平行して描かれて行きます。

壇先生がテロを起こそうとしているサークルメンバーに捕まり
監禁されてしまうのですが、それを助けたのがネコジゴハンターの2人。
壇先生が小説の登場人物として認識していた2人が
目の前に現れてしまうのです。

結論を言えば、小説を書いていた女子生徒が以前ネコジゴハンターに出会っており、
2人をモデルにお話を書いていたのであり、
読者が目にしていた話は女子生徒が書いたものでは無く実際の2人の話で、
その辺交差して描かれるもんだから、ネコジゴは小説の話、と錯覚させられます。

先生は未来が見えるし、ネコジゴは小説から出てくるし、
テロとかニーチェとかなんとかかんとか、
なんか詰め込みすぎてしんどいわ…
場面転換も激しいので頭が付いていかない…

テロを画策したメンバー達は元々別のテロ事件に家族が巻き込また遺族で
今回テロを起こして自殺するという計画を立てたのであった。
話によると犯人と人質はすべて自分達の仲間だと言う。
元々サークルメンバーは最終的に12人。
リーダーの庭野、その義弟的存在野口、交通事故で亡くなった羽田野、
成海彪子、医者夫婦康夫・康江、哲夫、沙央莉、将五、
里美大地の父親八賢を入れても全部で10人。
他の2人っていたっけ??
野口、哲夫、沙央莉、将五の4人は
自分達の家族を失うきっかけを作ったマイク育馬に復讐する為に別行動、
それを追う成海彪子も離脱。八賢はどこかで監禁されてるし。
犯人役が庭野で、人質が医者と看護師と受付の3人。
医者と看護師は康夫と康江だけど、じゃあ受付は誰?
名もなき2人のうちの1人なのかなぁ…
とは思ったのですが、だったら名前出してくれれば良いのに…
この人誰よ…ってずっと気になってモヤモヤしてた。
そしてもう1人はどうなったの?
なんかどっかに書いてあったっけ?
こういう細かい所すごい気になるんだよなあ…

壇先生の予知の力も、そこまで決定的に役立つ事はなく、
ふわっとヒントを与える…って感じで、
もう少しド派手に役だっても良かったかなぁ…
あんまり役に立ってないんだよなぁ…

伏線はやたらとちりばめられているのかもしれないが、
それを回収するのがなんかふわっとしてて
その辺もしっくりこない原因かもしれない。
とっちらかっている印象もそのせいかも?
好みもあるのかなぁ…
自分は白黒はっきり結論づけて欲しいので
ふわっとした話はどうにもストレスを感じてしまうわ…
全てが解決した後の壇先生の予想も、
あくまで予想ですからねぇ…
結局テロ起こした連中もネコジゴハンターも
どうなったのかはっきり分からんし。
前に読んだマリアビートルと似た感じかもなぁ。

後、伊坂作品は割と暴力描写多めだったなぁ…と
改めて思い出しながら読みましたw
今回すごくニーチェの話が出てきましたが、
読んだ事ないし、よく分からないのだけど、
ニーチェが勝手に言ってる事を
なんで信じ込んでいるのかがよく分からなかった。
人生同じ事の繰り返し?ってのがよく分からんし、
それでテロ起こすほど自暴自棄になれるのがすごいわ。
他の視点から物が見られないのだろうか。
それともそれほど精神的におかしくなっていたって事だろうか。
後、マスコミがクソってのは激しく同意する。

小説世界の2人と壇先生が会う所はちょっとわくわくしましたが、
その他はいまいちだったかなぁ…
やっぱいろいろ設定詰め込みすぎて頭がついて行ってないなぁ…
生徒が書いている小説第2弾の、
買った覚えのない通販が届く大学生が事件に巻き込まれ、
その届いた通販がことごとく役に立ったという話が
すごく面白そうだなぁと思いましたw

星は3つ。
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