カタスミ

『定年ゴジラ』重松清著

定年を迎えたおじさん達の日常。
以下ネタバレあり。



















今年は重松清読んでなかったなぁ…と手を伸ばす。
日常ほっこり系でまぁまぁのんびり楽しく読めました。

大手銀行を60歳で定年退職した山崎さん。
くぬぎ台ニュータウンに家を構えていたが
この町、何もありません。
毎日散歩して、でも退屈で。
そんな中ご近所の定年仲間達と知り合い、
退屈な日々を少しずつ楽しみはじめる。

結構前の日本が舞台のようで
この時代だと60歳って年寄り扱いだったのかもしれないが
今となっては60歳なんてまだまだ現役バリバリでいけると思うので
老人扱いにちょっと違和感があった。
やっぱ昔に比べて10年くらい
見た目とかも若返ってる気がするなぁ…
その分いつまでたっても働かされる訳ですが…^^;

山崎さんに、町内会長さん、ニュータウン建設に関わった藤田さん、
あちこちに転勤して様々な方言を操る野村さん、
ユニークな登場人物達が楽しく描かれておりました。
それぞれ抱える悩みもありつつ…
山崎さん家は娘が二人、成人して家も出ているのですが、
下の娘が絶賛不倫中で、
奥さんとは別居中の男で、結婚の約束をしているから、と
山崎さんは割と寛容な対応なのですが、
いやぁ、その男…あかんやろ?
離婚してから付き合うのが筋違うの?
結婚を約束しているが、相手の奥さんが判を押してくれない…って。
そりゃあな!子供もいるしな!
個人的にはこの件に関しては、娘の態度も、両親の娘に対する態度も、
なんかちょっと頂けなかったかなぁ…?

ちょいちょいほろり、とくる話もあって、
個人的には『ふうまん』って話が好き。
単身赴任ばかりしていた野村さんが
定年で家に帰ってきたが居場所がなく、
息子二人にぐじゅぐじゅ言ってる話…て書くと
身も蓋もないけど^^;
ちょっとうるっときてしまった。

人生も終盤を向かえた人達の生き方が
少し侘しくも有り、でもまだまだこれからでも有り、
心に染みる感じの良作でした。
星は3.5。
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