俺の妹がこんなに可愛いわけがない

俺の妹がこんなに可愛いわけがない　感想

　第８話「俺の妹がこんなにアニメ化なわけがない」


（以下、原作のネタバレを含む。）


　前話のコメント欄で書かれていた通り、第８話はほぼアニメオリジナル。
　ＯＰにロボットが出ていたから、桐乃の小説がロボットアニメになるのかと思った。


　正直な話、今回の内容は、あまり面白くなかった。

　テーマは、原作者とアニメスタッフとの衝突なのだが、脚本家の言っている事が無茶過ぎる。
　原作では女の主人公を、アニメでは男にするだなんて、改悪にも程があるだろ。
　元がベストセラーの小説なのに、わざわざ原作ファンを敵に回す必要があるのだろうか？

　同じく、脚本家の「個人的には全然面白くない」という主張も、立場を考えると間抜けな様な。
　どんなに御託を並べたところで、桐乃の小説がベストセラーになっているのは事実。
　なら、その面白さが分からないアニメスタッフは、売れ筋を読めない無能だって事になるんじゃないの？

　結局、主人公側に論破されるため、ワザとおかしな事を言っている様にしか見えないんだよな。
　まぁ、確かに、高坂父が相手の時も、あやせが相手の時も、そういった点は見られた。
　でも、最後の最後は２人に正論を言わせ、それを京介が捨て身で覆すという流れにしていたし。



　―――と、ここまでが、アニメ単体で観た場合の感想。

　ハッキリ言って、原作と比較すると、面白くないどころじゃない。
　喩えるなら、イチゴのショートケーキを材料に、スポンジケーキを作って見せられた様な気分だ。




　まず、桐乃が、高いプロ意識を見せるシーンが無かったのが不満。
　大体、桐乃って、アニメスタッフとの打ち合わせに、友達を同伴する様なキャラじゃないだろ。
　必要ならば盗作犯のフェイトにも協力を願う反面、必要のない人間を参加させたりはしないんだし。

　あと、クリスマスデート時の、桐乃の「感想メモ」が話に出て来なかったのも不満だった。
　京介について、嬉しそうに「シスコン」と書いている桐乃が微笑ましかったのに。
　そういや、「恋愛対象は高二から」という、遠回しな告白（？）シーンも無かった様な。

　次に、黒猫についても、不満が多い。
　「擬態完了」も無し。「兄さん」も無し。「私は友達少ないのよ」も無し。
　桐乃に「あなたのお兄さんに『大好き』って告白されたわ」と告げるシーンも無し。カットカットカット。


　何より、原作を改悪しておいて、作中では「原作を改悪するな」と言っているのが、腹立たしい。
　これは、素でやっているのか、笑えない冗談なのか？
　電撃文庫の盗作騒ぎ云々が本当だとしても、観ている側には関係ない話だしなぁ。



　それと、アニメがオリジナル展開になった事で、疑問に思った事を幾つか。

　アニメの桐乃は、完全に独力でベストセラーを生んだ事になるが、これからどうするんだろう？
　今のところ、辞める理由も無さそうだし、辞められる状況でも無いんじゃないだろうか？
　出版社も、女子中学生作家って肩書きで、売り出しちゃったみたいだし。

　あと、フェイトさんは、これからどうなるんだろう？
　１期だけなら、以後出番無しでＯＫだけど、２期ってやらないのかね？



　何だか、今回の感想は、不満な点ばかり挙げてしまったな。
　次回サブタイトルは「俺の妹がこんなにエロゲー三昧なわけがない」。