第71局 怪物
ここからは私の連荘で終わらせる
この試合に 東二局は来ない!
このタコスの大言壮語を真に受けたのか、漫は激しく動揺していた。
この試合は10万点持ちやで――――!!
もしその10万点を1回の親番で削りきれるんやったら
インターハイ史上
最強クラスの怪物やないか…!?
いや、無理だから。
池田みたいに「偶然」で片付けるのも問題だけど、あまり警戒し過ぎるのも問題だなぁ。
「恐れるな、ただし侮るな。その両方がミスを生む」 by 庭野さん家の茂蔵さん。
(後から気付いたけど、このフレーズ、第68局の感想でも使ってた。でも、気にしない。)
それはそうと、インターハイ史上「最強」ではなく、「最強クラス」という表現なのは気になるな。
もしかして、インターハイ史上には、ホントに1回の親番で10万点削り切れる怪物がいたの?
そうだとしたら、南場の親で他校をトバした、アニメ版の井上よりも凄いな。しかも全国で。
そう言えば、結局、全国大会の2回戦って、半荘1回なの? 半荘2回なの?
あと、2校勝ち上がりというのも、トーナメント表からの推測であって、明言された訳ではないんだよね。
さて、必要以上にタコスを警戒する漫とは裏腹に、小瀬川さんは冷静。
トラッシュトークなのかなぁ…
10万点とる力があるようには見えないしねぇ
へぇ、そういうのって、『トラッシュトーク』って言うのか。
しかし、「10万点とる力があるようには見えない」って、そういうの、小瀬川さんは見て分かるの?
東1局1本場 親:タコス ドラ:
タコスが連荘しての1本場。
漫には、こんな好形の二向聴が入る。
ドラ
345の三色も見えるが、タンヤオ確定のドラドラだし、タコスの親も蹴りたいので、漫は速攻。
神代のとタコスのを鳴き、2巡で聴牌を入れる。
同じ立場なら僕もそう打つが、間の悪い事に、自然に出て行くが、イコールタコスの和了牌。
タンヤオ三色三歩高ドラ赤で、7700は8000点。
もう聴牌が入っているタコスも凄いが、漫は「東パツの片岡は門前では即リーチ」と教えられていたらしい。
話がちがいますやん 末原先輩!
しらんがな
……「しらんがな」って、そんなヒドイ。
まぁ、その情報があろうとなかろうと、2巡目からダマを警戒してたら、麻雀にならないケド。
それはそうと、「末原」って言うのね、この参謀さん。
漫が「先輩」と呼ぶって事は、末原さんは3年生なのか。ダブってなければ。
東1局2本場 親:タコス ドラ:
絶好調のタコス。
2本場はダブリーでスタート。
ツモ ドラ
1巡目、西家の漫は、ここから何を切る?
ちなみに、南家の神代はを河に置き、これはセーフだった。
ダブリーを1点読みするには、イカサマか超能力のどちらかが必要。
そのどちらの持ち合わせもない漫は、当たったら事故と割り切って、最不要牌のを切った。
だが、不慮の事故で死ぬ人間は、寿命を全うして死ねる人間よりもずっと多い。
よりによって、漫の手牌で浮いていたは、タコスのダブリーにストライク。
ロン…ッ!
一発!!
ツッコんじゃ駄目だ、ツッコんだら負けだ、ツッコんじゃ駄目だ、ツッコんだら負けだ……。
いや、何でもないですよ。
ごくありふれた、麻雀中の光景ですよね。
ロン ドラ 裏ドラ不明
待ちで、ダブリー一発7700は8300点。
この放銃で漫の持ち点は79700点。トップのタコスと48600点も離されてしまった。
余談だけど、「早いリーチは一四索」というのは、「早いリーチは安そう」と掛けた駄洒落(?)。
別説に、盲牌し易いを積む込むからというものもあるが……、それならまで積み込むような。
東1局3本場 親:タコス ドラ:
開局後3連続和了で、今のところ、先鋒戦はタコスの独壇場。
だが、この局から、遂に全国の強豪たちが動き出す。
……スゲー配牌。
それはさておき、索子が連続形なので、普通は切り一択。
それは小瀬川さんも分かっているのに、その手は何故か止まった。
んー…
ちょいタンマ
そう言って、小瀬川さんは長考タイム。
そして、この「ちょいタンマ」に、漫が反応を示す。
末原さんの分析では、小瀬川さんは「迷うと手が高くなる」傾向があるらしい。
「手を高くする」んじゃなくて、「手が高くなる」って、おかしな話だな。
つまり、小瀬川さんも、「常識の外にいる生き物」の一人という事か。
能力としては、手が高くなる時は、直感的にストップが掛かるって感じ?
本人は、自分の能力(?)に自覚的ではないみたいだが。
長考の末、小瀬川さんは、「決めた」「変だけどこれで」と言って、切り。
ドラ
ここから、やドラのを引いて、678三色になったりするのかな?
一方、姫様こと神代小蒔も、この局から覚醒する。
覚醒。
そう文字通りの意味で。
まさか、今まで寝てたとは。
つか、こんな天然キャラだったとは。
「点減ってる…」って、じゃあ、開局時からずっと寝てたのかよ。
しかし、
本当に申し訳ないのでここからは――
全力以上であたらせてもらいます!
そう言うと、神代は本気モードで神力発動。
これを見たタコスは、「この流れはヤバいじぇ…」と言っていたが、果たして神代の実力や如何に?
なお、この局、神代の配牌は、
ドラ
こんな七対子一向聴(はかも)。
第1ツモは不明だが、神代の第1打は。
もし第1ツモがだったとしたら、小瀬川さんがセオリー通りに打ったら放銃していた事になるが。
あと、小瀬川さんの手に必要なは、かなり殺されているなぁ。
今回は、完璧超人然としていた神代が欠点を見せた事で、急に可愛く思えて来た。
やっぱり、キャラが動き出すと、印象が変わる。
インターハイ2回戦、先鋒戦東1局3本場。
現在の点数状況は、清澄:128300点、姫松:79700点、宮守:96000点、永水:96000点。
3号連続掲載されたので、次号はローテ休載。
次回掲載は、10月15日発売号。
ここからは私の連荘で終わらせる
この試合に 東二局は来ない!
このタコスの大言壮語を真に受けたのか、漫は激しく動揺していた。
この試合は10万点持ちやで――――!!
もしその10万点を1回の親番で削りきれるんやったら
インターハイ史上
最強クラスの怪物やないか…!?
いや、無理だから。
池田みたいに「偶然」で片付けるのも問題だけど、あまり警戒し過ぎるのも問題だなぁ。
「恐れるな、ただし侮るな。その両方がミスを生む」 by 庭野さん家の茂蔵さん。
(後から気付いたけど、このフレーズ、第68局の感想でも使ってた。でも、気にしない。)
それはそうと、インターハイ史上「最強」ではなく、「最強クラス」という表現なのは気になるな。
もしかして、インターハイ史上には、ホントに1回の親番で10万点削り切れる怪物がいたの?
そうだとしたら、南場の親で他校をトバした、アニメ版の井上よりも凄いな。しかも全国で。
そう言えば、結局、全国大会の2回戦って、半荘1回なの? 半荘2回なの?
あと、2校勝ち上がりというのも、トーナメント表からの推測であって、明言された訳ではないんだよね。
さて、必要以上にタコスを警戒する漫とは裏腹に、小瀬川さんは冷静。
トラッシュトークなのかなぁ…
10万点とる力があるようには見えないしねぇ
へぇ、そういうのって、『トラッシュトーク』って言うのか。
しかし、「10万点とる力があるようには見えない」って、そういうの、小瀬川さんは見て分かるの?
東1局1本場 親:タコス ドラ:
タコスが連荘しての1本場。
漫には、こんな好形の二向聴が入る。
ドラ
345の三色も見えるが、タンヤオ確定のドラドラだし、タコスの親も蹴りたいので、漫は速攻。
神代のとタコスのを鳴き、2巡で聴牌を入れる。
同じ立場なら僕もそう打つが、間の悪い事に、自然に出て行くが、イコールタコスの和了牌。
タンヤオ
もう聴牌が入っているタコスも凄いが、漫は「東パツの片岡は門前では即リーチ」と教えられていたらしい。
話がちがいますやん 末原先輩!
しらんがな
……「しらんがな」って、そんなヒドイ。
まぁ、その情報があろうとなかろうと、2巡目からダマを警戒してたら、麻雀にならないケド。
それはそうと、「末原」って言うのね、この参謀さん。
漫が「先輩」と呼ぶって事は、末原さんは3年生なのか。ダブってなければ。
東1局2本場 親:タコス ドラ:
絶好調のタコス。
2本場はダブリーでスタート。
ツモ ドラ
1巡目、西家の漫は、ここから何を切る?
ちなみに、南家の神代はを河に置き、これはセーフだった。
ダブリーを1点読みするには、イカサマか超能力のどちらかが必要。
そのどちらの持ち合わせもない漫は、当たったら事故と割り切って、最不要牌のを切った。
だが、不慮の事故で死ぬ人間は、寿命を全うして死ねる人間よりもずっと多い。
よりによって、漫の手牌で浮いていたは、タコスのダブリーにストライク。
ロン…ッ!
一発!!
ツッコんじゃ駄目だ、ツッコんだら負けだ、ツッコんじゃ駄目だ、ツッコんだら負けだ……。
いや、何でもないですよ。
ごくありふれた、麻雀中の光景ですよね。
ロン ドラ 裏ドラ不明
待ちで、ダブリー一発7700は8300点。
この放銃で漫の持ち点は79700点。トップのタコスと48600点も離されてしまった。
余談だけど、「早いリーチは一四索」というのは、「早いリーチは安そう」と掛けた駄洒落(?)。
別説に、盲牌し易いを積む込むからというものもあるが……、それならまで積み込むような。
東1局3本場 親:タコス ドラ:
開局後3連続和了で、今のところ、先鋒戦はタコスの独壇場。
だが、この局から、遂に全国の強豪たちが動き出す。
……スゲー配牌。
それはさておき、索子が連続形なので、普通は切り一択。
それは小瀬川さんも分かっているのに、その手は何故か止まった。
んー…
ちょいタンマ
そう言って、小瀬川さんは長考タイム。
そして、この「ちょいタンマ」に、漫が反応を示す。
末原さんの分析では、小瀬川さんは「迷うと手が高くなる」傾向があるらしい。
「手を高くする」んじゃなくて、「手が高くなる」って、おかしな話だな。
つまり、小瀬川さんも、「常識の外にいる生き物」の一人という事か。
能力としては、手が高くなる時は、直感的にストップが掛かるって感じ?
本人は、自分の能力(?)に自覚的ではないみたいだが。
長考の末、小瀬川さんは、「決めた」「変だけどこれで」と言って、切り。
ドラ
ここから、やドラのを引いて、678三色になったりするのかな?
一方、姫様こと神代小蒔も、この局から覚醒する。
覚醒。
そう文字通りの意味で。
まさか、今まで寝てたとは。
つか、こんな天然キャラだったとは。
「点減ってる…」って、じゃあ、開局時からずっと寝てたのかよ。
しかし、
本当に申し訳ないのでここからは――
全力以上であたらせてもらいます!
そう言うと、神代は本気モードで神力発動。
これを見たタコスは、「この流れはヤバいじぇ…」と言っていたが、果たして神代の実力や如何に?
なお、この局、神代の配牌は、
ドラ
こんな七対子一向聴(はかも)。
第1ツモは不明だが、神代の第1打は。
もし第1ツモがだったとしたら、小瀬川さんがセオリー通りに打ったら放銃していた事になるが。
あと、小瀬川さんの手に必要なは、かなり殺されているなぁ。
今回は、完璧超人然としていた神代が欠点を見せた事で、急に可愛く思えて来た。
やっぱり、キャラが動き出すと、印象が変わる。
インターハイ2回戦、先鋒戦東1局3本場。
現在の点数状況は、清澄:128300点、姫松:79700点、宮守:96000点、永水:96000点。
3号連続掲載されたので、次号はローテ休載。
次回掲載は、10月15日発売号。
姫松はリボンの形から推測するに
三年 末原 愛宕姉妹
二年 漫ちゃん
一年 よー
かと
小瀬川ちゃんダウナー系なのに対局者を冷静に分析してて強そうだしいいキャラしてるな。眠りのおっぱい姫様もいいけどやっぱ嫁にするなら小瀬川ちゃんだな
去年副将とか言ってたし…
ありがとうございます。
読み返してみたら、第69局で2年と書かれてました。
有名なのは、W杯で最終的にジダンの頭突きに至ったやつでしょうか
本来、審判に聞こえたらそれだけで反則ですけど
神代さんって目を開けたまま寝るのか。寝込み襲えないな。