駅弁というのは電車に乗り、車窓の景色を眺めながら食べるものだと思っていた。
駅弁はそこそこいいお値段だし、その代金を出せばもっと美味いものも喰えるだろうが、旅に出た解放感やその地域でしか買えない限定感が駅弁をありがたいものにしている。
だから近所のスーパーで時折行われる“駅弁まつり”にはあまり関心もなく、買ったとしてもマス寿司やサバ寿司程度。
先日、呑友S氏と呑んでいる時、S氏が鞄からチラシを出し「明日から新宿の京王百貨店で駅弁まつりが開催される。自分は毎年行っている」と言っていたが、その時はあまり興味を抱いていなかった。(ゴメンね。)
が、翌朝、情報番組でも取り上げられていたので、S氏にいただいたチラシを広げてみると“第50回”と記され、300種を超える駅弁とグルメが大集合し、期間も8日から20日の13日間も開催されるものらしい。
なるほど、これは一大イベントである。
10日からの3連休は遅番出勤なのであり、仕事帰りに百貨店に寄るわけにはいかないので、少し早めに家を出て駅弁まつりに立ち寄り、朝昼兼用の駅弁でも買って、始業前に喰らうことにした。
電車の中でチラシを広げ「さて、今日はどの弁当を買おうかな~。楽しみだな~」と浮かれた感じだったのだが、10時開店から少し経過した百貨店に到着してビックリ!
もの凄い人混みなのだ。人気の駅弁を購入するにはディスニーランドのように“最後尾はこちら“と書かれたプラカードの後ろに並ばなければならない。
並んでいるのは、今日やることは駅弁買って食うだけ?と思しきお爺ちゃん・お婆ちゃんが殆どであり、これではこれから仕事に向かうサラリーマンは不利である。
結局、行列を避け購入したのは、数種類あるカニ関係の弁当の中から、今回初登場の北陸本線福井駅の“三種盛り北国かにめし”と、昨年売上№1の函館本線森駅の“いかめし”の2種類。
今回買った“三種盛り北国かにめし”は、ズワイガニと雲丹を和えたもの、カニミソ付の棒肉、身をほぐしたものが同時に味わえるのが良い。職場の休憩室でこれを喰ったが、これは美味い!
しかし、やはり雲丹和えをつまみ、カニミソを舐めながらワンカップをちびりとやりたい。
やっぱり、駅弁を喰う場所は無機質な職場の休憩室より、ワンカップを呑みながら車窓の景色を眺められる電車の方が似合っている。
同じくローストビーフを使った「飛騨牛しぐれ寿司」はボリュームもあり、味も良かったです。