熊大迷宮物語KB

かなり不定期でつまらない物語でも書こうかと思ってます。
画像はAIイラストつくろっ!アプリで作成しています。

2016年3月15日(火)

2023-07-26 23:15:00 | 日記

【済々黌:富田 正継・前田 綺羅・原田 祐一・村川 学】

「良し、全員合格やな」

「これでまた1歩冒険者に近づいたかなー」

 全員の受験番号が有るのを確認して言葉を漏らした富田 正継の横で、嬉しそうに前田 綺羅もこう口にした。ここは済々黌高校の正門から入ってすぐの場所にある広場。ここに今年の後期試験の合格者一覧が掲示されている。富田と前田、原田 祐一、村川 学は父親が冒険者か元冒険者であり、自宅も黒髪近辺にあるので、小さい頃から冒険者組織が身近な存在であった、その様な環境で育ったので、将来は冒険者になることを目標にしているのである。それに対して両親達は、冒険者になるからと言って勉学が疎かになることを嫌い、冒険者になるためには、桜山中学卒業後、済々黌に進学し、熊大に進学することを条件としているのである。そして本日、第一条件で有る済々黌進学をクリアしたのだ。

「高校でも一緒のクラスになるといいなー」

 ルンルン気分の前田が笑顔で言葉を発する。富田はその様子を何気なく眺めていたが、何やら周りが少しざわついている。どうも前田の余りの可愛さに気づいた連中が、そこかしこで話題にしているので有る。

「じゃあ、そろそろ戻ろうか」

 このような状況は慣れっこではあるが、今日は高校の合格発表なので、余り目立たない方が良いと思い、富田がこう提案し、全員で校門から外へ出た。そのまま歩いて黒髪方面へ向かい、富田の自宅である『ゲーム&喫茶アクシズ』へ向かう。全員合格していたら母親の富田 さやかが全員にご馳走してくるという話をしていたからだ。

「ただいまー」

「お帰りなさい。どうだった?」

 さやかの声かけに対して全員でサムズアップで帰す。それを見て、大きく息を吐いて、笑顔を浮かべる。

「みんな、おめでとう。頑張ったわね。じゃあ好きなものたくさん作ってあげるから、何でも注文して」

 そう言われて、全員でテーブルに座り、何を食べるかで盛り上がる。この後、全員で大量の料理を注文し、皆んなで和気藹々と食べ尽くす。食べ終わった後は丁寧にお礼を述べ、全員で合格を伝えに、この後前田家、原田家、村川家を順番に回った。


2016年3月14日(月)

2023-07-25 12:13:00 | 日記

【戦士鍛錬場:中島 叶恵・川崎 健介・佐藤 文香・桑野 絵梨花】

「もうそろそろブッチャークリアして地下2階かしらね」

 笑顔を浮かべて桑野 絵梨花が声をかける。ここは午前中の戦時鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。先ほどまで模擬戦を行っていたザ・ワールド時よ止まれ部隊の戦士である中島 叶恵と川崎 健介、佐藤 文香の3人は休憩時間に集まって、一緒に休んでいた。そこに教官である桑野 恵利香がやって来て声をかけたのである。

「そうですね。圭吾君が地下2階に降りる階段の罠は解除しているので、後はブッチャー次第です」

 質問に対して、中島が状況を説明した。迷宮探索を始めてから約5ヶ月が過ぎており、第1迷宮の地下1階の探索はボスであるブッチャークリアを残すだけとなっている。罠解除士である澤山 圭吾が、すでに地下2階に降りる階段の罠解除に成功しているので、地下2階へ降りることはできるのだ。

「ブッチャーも健介君がそろそろで、私と叶恵ちゃんもそうかからないと思います」

 タオルで頬の汗を拭いながら佐藤が言葉を続ける。正直後23回の探索でクリアできる見込みなのである。

「まあとにかく油断しない様にね」

 笑顔を浮かべてこのように言葉を述べた桑野は軽く手を振って、他の戦士達の状況を確認しに立ち去って行った。

「ところで言い忘れてたけど、バレンタインのお返し今日持って来てるから後で渡すね」

 特に2人を見つめることもなく、ボソっと話をした川崎の声を聞いて、2人は顔を見合わせ、笑い合った。


2016年3月13日(日)

2023-07-24 23:37:00 | 日記
【報告:桑野 絵梨花】
お疲れ様です。桑野です。
本日時点の各部隊の状況を報告いたします。
 
◆黒髪てへトリオ部隊
└第7迷宮 529階探索終了
◆食べラー大好き部隊
└第6迷宮地下3階探索中
◆ホークス強いです部隊
└第5迷宮地下2階探索中
◆ワイルドだろー部隊
└第4迷宮地下5階探索中
◆東京スカイツリーーー部隊
└第6迷宮地下3階探索中
◆アベノミクス部隊
└第3迷宮地下10階探索中
◆セカオワいいよね部隊
└第1迷宮地下10階探索中
◆大阪都問題難しい部隊
└第3迷宮地下7階探索中
◆軍師官兵衛は悪くない部隊
└第1迷宮地下7階探索中
◆あさりちゃんお疲れ様でした部隊
└第3迷宮地下6階探索中
◆STAP細胞なんてなかったんや部隊
└第1迷宮地下4階探索中
◆ドイツサッカー半端ない部隊
└第3迷宮地下4階探索中
◆ありのままの部隊
└第1迷宮地下4階探索中
◆未来はそんな悪くないよ部隊
└第3迷宮地下4階探索中
◆何かあったら妖怪のせい部隊
└第3迷宮地下3階探索中
◆ジェリーよりトム派部隊
└第1迷宮地下3階探索中
◆アカツキは俺の嫁部隊
└第3迷宮地下3階探索中
◆花燃ゆが今一面白くない部隊
└第1迷宮地下3階探索中
◆白鵬強すぎ部隊
└第3迷宮地下3階探索中
◆ザ・ワールド時よ止まれ部隊
└第1迷宮地下1階探索中
◆リンネの境界部隊
└第3迷宮地下1階探索中
◆ダイエーが無くなって寂しい部隊
└第1迷宮地下1階探索中
◆ゲスの極み部隊
└第3迷宮地下1階探索中
◆ドラゲナイ部隊
└第1迷宮地下1階探索中
 
※特記事項
・黒髪てへトリオ部隊が第7迷宮529階をクリアしました。
 
以上、ご確認お願いいたします。 

2016年3月12日(土)

2023-07-23 07:42:00 | 日記

【道:前田 法重・村川 慎太郎・富田 剛・大塚 仁・本田 仁・富田 穂樽・大塚 瀬名・村川 梨花・福田 太陽】

「でわでわ、子供達の全員合格を祝してカンパーイ」

 右手にジョッキを持ち、富田 剛が上機嫌でジョッキを上に上げ、参加メンバーも全員自分の飲み物を上にあげた。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が美味しい料理とお酒を楽しみに来店している。昨日の熊本大学の合格発表で無事合格した富田 穂樽・大塚 瀬名・村川 梨花・福田 太陽の合格祝いを本日ここで行っているのである。

「それにしても全員合格するとは思っていたけど、実際発表があると感慨もひとしおやな」

「でもこれで冒険者になるのを認めざるを得なくなりましたね」

 興奮気味に話す富田に本田 仁が冷静に言葉をかける。今回熊大に合格した4人は全員が冒険者になることを希望しており、それを認める条件として熊大に入学するということ決めていたのである。なので、熊大の合格した以上、冒険者になることを認めないわけには行かないのである。

「太陽君も冒険者になるんだよね?」

「はい。両親にもそのように話して、了承は得ました」

 目の前で烏龍茶を飲んでいる福田に大塚 仁が質問し、それに対して真剣に返事を返した。今回熊大に合格した4人のうち、富田、大塚、村川は家自体が黒髪にあるが、福田の両親は福岡で生活している。福田の両親はできれば子供には冒険者になって欲しくはなかった様であるが、自分たちも冒険者だったことを考えると、強く止めることは出来なかったのである。

「いやー、それにしても子供達が冒険者になるんだからな。俺たちも歳を取ったもんだよ」

「前田さんのところもあと3年後ですからね。正直あっという間ですよ」

 感慨深げに言葉を発した前田 法重の言葉に、村川 慎太郎が思いを伝える。前田には2人の娘がおり、上の娘である綺羅は4月から高校1年生になるので、3年後は同じ状況になるのである。

「お待たせしましたー」

「おー、マエーダ伯爵夫人自ら持ってきていただけるとは、言って貰えば取りに行ったのに」

 『道』のママさんであり、前田の奥さんでもある前田 雅美が大量の料理を運んできたので、即座に本田がフォローの言葉をかけた。『道』には常時スタッフが他に2名程度いるので、雅美が直接食事を持ってくることはあまり無いのであるが、たまたま何かがあったらしく、自ら持ってきてくれたのである。ちなみに本田は今マエーダ伯爵夫人と呼んだが、普段からその様に読んでいるわけではなく、思いついたことを口にしただけである。それを聞いて、前田は少し訝しげな表情をしていた。

「それはそうと、皆さん熊大合格おめでとうございます。これから大学生として4年間を過ごすと思いますが、人生においてこの4年間は非常に有意義な期間となりますので、しっかりと頑張ってください」

 合格した4人に対して、雅美が気持ちを伝え、その言葉でここにいる全員が感動した。1人を除いて。

「あれ、富田さんどうしたんですか、難しい表情して」

 何やら考え込んでいる富田に気付き本田が声をかける。

「いやー、俺の大学生活有意義だったかなと思い返してた。多分有意義じゃなかった」

「まあまあ俺もそう思いますけど、ささ、飲んで飲んで」

 そう言われたので、富田はジョッキのビールを開けて、おかわりを本田が注文する。ちょっとだけ今の本田の俺もそう思いますけどという言葉が引っかかったが、楽しい合格祝い中なので、気にしないことに決めた。


2016年3月11日(金)

2023-07-22 19:54:00 | 日記

【熊本大学:富田 穂樽・大塚 瀬名・村川 梨花・福田 太陽】

「あったあった!」

「私もあった。良かったー」

 富田 穂樽と大塚 瀬名は合格発表板に自分の受験番号が記載されているのを確認し、喜びあった。ここは熊本大学武蔵ヶ丘キャンパス。本日は前期試験の合格発表が行われている。一緒に文学部を受けた富田と大塚は一緒に熊大を訪れ、合格発表板を確認したのである。熊大に合格するのが直近の目標であったので、2人の喜びはひとしおである。特にセンター試験の点数が多少足りてなかった富田は2次試験で多少の手応えはあったが、自分的に五分五分ぐらいと感じていたのである。

「さあ、後は梨花と太陽だよね」

「多分受かってると思うけどねー」

 そう言って大塚はスマホを取り出したが、大塚がかける前に着信がかかってきた。

「梨花?こっちは受かったよ。あ、梨花達も受かったんだおめー」

 スマホを耳に話をしている大塚の声を聞いて、富田も大きなため息をつく。どうやら理系の2人も合格したようだ。

「うんうん、じゃあさっきの所に集合ね」

 そう言って大塚はスマホを切る。富田と大塚、村川、福田は元々父親が全員冒険者であり、昔から親しい間柄である。なので、小さい頃から一緒に遊んだり何処かに行ったりする仲であり、俗に言う幼馴染ということになるのだ。

「では正門に戻りましょうか」

「そうだね。一旦黒髪に帰ってってお母さんに電話するの忘れてた」

「あ、私もだ」

 合格したことが余りも嬉しく、家に合格の連絡をするのを忘れていた2人である。2人は合格した事を母親にきちんと報告した後、正門前で村川 梨花と福田 太陽と合流し、一緒に黒髪方面へ戻ることとなったのである。