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「ねえ、これって邪魔ね。」
「介助する時とか、食事の時はエプロンの中に入れていいみたい」
「そうだよね、わたしもそうしよう」
お母さんの勤めている特養で、首にかける紐がついている名札が
みんなに配られたようだ。
たぶん、その理由は○○研究所の見学があるからだと、
もっぱらの噂だよ。
新しい建物が建つから、その融資の為の視察だろうね。
でね、名札もウチはちゃんとしてますよということだろうね。
でも、いつも現場にいるお母さんたちは、名札はエプロンで隠れたまま。
ブラブラと外に出しているヒマがないようだ。
エプロンの中の名札は、2日目にして少し折れ曲がっている。
労働の重さを名札が表しているようだね。
いつもエプロンの中じゃ、名札を下げている価値ないよね。
「この名札、そのうちボロボロになりそう」
と心の中で密かに思っている。けど、どうなることか?
あたし・ミニーは名札はいらない。
みんなが、あたしのことを知ってるものね。
自遊人は実習で使ったエプロンをそのまま使っていますので名札付です。でも信頼関係が作られれば名前は自然と覚えてもらえますよね。
介護に携わっていない事務所の人たちには、名札もいいでしょうけどね。