「イソップ寓話集」(昔の愛読書です)からひとつ
55 牡牛たちと肉屋。
むかしのこと、牡牛たちは、肉屋が、この世からいなくなればよいと考えた。と言うのも、肉屋は、牛たちを殺戮することを、なりわいとしているからだ。
牡牛たちは、日時を示し合わせて、終結スルト、戦を前に、ツノの手入れに余念がなかった。しかし、彼らの中に、大変年老いた牛がいた。彼は、長年、畑を耕してきたのだが、そんな彼がこんなことを言った。
「肉屋が、我々を殺すのは紛れもない事実だ。しかし、彼らは手慣れている。もし、彼らを抹殺してしまったら、我々は、未熟な者の手に落ち、倍の苦しみを味わいながら死ぬことになるだろう。肉屋がいなくなっても、人間は牛肉を食べるのを、やめぬだろうからな。」
教訓。悪をトリノゾコウトシテ、別な悪を招来しては、何にもならない。物事は、深く考えてから、行え。
(引用終)
遠い先の話だが、人間は自分を死ぬように定めたプログラムを破壊する日が来るかもしれない。
死という悪を取り除いて、招来する別な悪は、人間に100倍の苦しみを与えるものかもしれない。
まあ、夢見たいな話ですみません。
※「タウンゼント版イソップ寓話集」から引用させていただきました。→http://jhnet.sakura.ne.jp/petit/aesop/kaisetu_townsend.html
(My Favorite Songs)
ちあきなおみ。