きものサローネに行こう!

10月20~22日に開催される「きものサローネin日本橋2013」の見どころ、楽しみ方をガイドしています。

日本橋生まれの大久保信子さんに学ぶ”きものスタイル”

2013-09-28 18:19:17 | イベント
江戸好み、日本橋好みのきものスタイル

日本橋は江戸時代から商業の中心地であり、ファッションの発信地でもありました。そのスタイルは、武士に負けないように町人の矜持、心意気を映したスタイルで、「さっぱり、垢抜け、色気のある着こなし」と着物スタイリストで、日本橋生まれの大久保信子さんは言います。その気質が今も伝えられ、ちょっとしたおでかけにもきちんとおしゃれをして、白半襟で、すきっと着こなす。大久保信子さんは、三代続いた繊維卸商の家に生まれ、小さい頃から日本橋に住む人々のきもののおしゃれ体感し、見続けてきました。「日本橋は街が整然としていて、上品で、きれい。しかも老舗や本店が多く、食べ物も美味しいところが多い。ぜひ当日は、きものサローネをお愉しみいただき、日本橋の街をきもので散策してほしい。」と大久保さん。大久保信子さんに学ぶ”きものスタイル”と題した大人気のきものトークは、20日、日曜日です。三井ホールサブステージとYUITO5Fイベントステージで行われます。

今発売中の季刊きもの・秋号は、きものサローネの特集号。大久保信子さんの特別インタビューが掲載されています。ぜひお手にとってお読みください。

江戸太神楽・仙丸

2013-09-28 18:06:32 | イベント

江戸時代から庶民に愛された曲芸の数々

昭和40~60年代、お正月には必ずTVから「おめでとうございま~す」と言いながら和傘の上でリングや毬、枡など色々なものを回しながら、「益々ご商売繁盛!」と枡を回す芸が有名だった染太郎染之助兄弟の芸を覚えている方も多いのではないかと思います。この芸が太神楽(だいかぐら)です。太神楽は、舞、歌、囃子、茶番、寸劇、そして曲芸ありと、江戸時代から現代まで人々に愛され、継承されてきたまさに日本の民俗伝統芸能の集大成と言えるほどの総合芸能です。太神楽は、魔や厄を払い、幸せを招くとも言われています。笑福、招福のイベントをお愉しみください。仙丸さんの出演は、22日三井ホールメインステージの第4部でご覧いただけます。しかしすでに観覧申し込みは終わっていますが、当日立ち見席約100席を用意してあります。観覧ご希望の方は、開演30分前に4階エントランス・ショー受付にてお申込みください。先着順です。

アーカイブ2012/モニュメント

2013-09-18 20:21:01 | イベント
アーカイブ2012/モニュメント


きものサローネのすっかり顔になってしまったモニュメント。花想容の中野光太郎さんが、予算のない中、苦心に工夫を加えた傑作です。何しろ三井ホールの天井までの高さは7メートルもありますから、空間をうまく演出しないと、殺風景で間の抜けたものになってしまいます。最初の案では会場全体に六角に組んで反物を天井から吊り下げた布の柱を木に見立て、会場全体に林立した布と光が連なった森を作ろうとしたのですが、ちょっとした問題があってホールのエントランスを中心にディスプレーしました。これが会場全面に林立したら、すごかったでしょうね。舞台の上は、中野さんが絞り染めだし、秋のお花畑をイメージした「COSMOS=コスモス」と題したオブジェです。
今年も中野光太郎さんと、シルクギャラリーの成瀬優さんがコラボして昨年を上回るオブジェを準備中です。8月に製作途中の成瀬さんを訪ね、その一端を拝見しましたが、なんというパワーなのか、そのすごさに驚嘆。11月に大会場での個展を控えている中での今回のオブジェ制作。渾身の一作です。何はともあれ、当日は絶対三井ホールのオブジェを御覧ください。驚きますよ。

鮮烈なひと③丸山正

2013-09-18 16:06:17 | イベント
丸山正は大学で油絵を学び、グラフィックデザイナーを志して上京したが、挫折し、30歳で着物メーカーに就職。そこで販売促進のために、着物の仕上がった時のイメージが伝わるように反物をお客様に巻き付けることを学び、巻き付けをたくさんのお客様にしていく中で、反物を重ねて巻き、下の反物を引き抜いて色の変化を見せたりと、丸山の中で巻き付けがどんどん進化してゆき、独特のパフォーマンス「丸山正の巻きつけ」が完成してゆきます。それは圧倒的な、しびれるような、官能的なアート・パフォーマンスです。体験したことのない世界は、絶対のオススメです。そうして自分の中でも幅1尺、長さ三丈四尺五寸の布にデザインされた美しさに惹かれ、やがて自分でも着物をデザインするようになります。最初のデザインしたのは小紋だったと言います。いまようやく純粋に仕事が楽しめ、面白い、という丸山。これからは「布の本質に迫るような仕事がしたい」と、その道はますます険しく、厳しい。丸山正の巻き付けパフォーマンスは、22日13時からの第一部でご覧いただけます。予約制ですので、ぜひお早めに席をご予約ください

鮮烈なひと②丸山正

2013-09-18 08:44:43 | イベント
滅ぶ寸前の美


長野駅から車で1時間の山中にある築140年という古民家に円山正の工房があります。丸山の手法は、まったく非常識で、いままで誰もこんなことを考えた人はいなかった。実際、大好きな小千谷の最高級の絹織物をたわしで擦り、糊置きの上に灰をふりかけ、銀の箔や顔料を載せて道路工事でアスファルトを踏み固めるローラーをかけてなめし加工を施したりして、布を叩いたり、傷つけたりする。そのことによって絹本来が持っている「芯」のような力強さと美しさを引き出してゆくという。確かに、出来上がった布は鈍い光や風化したような光沢、彩りをたたえ、なんとも表現できない不思議な風合いの布に仕上がる。激しい作業の途中で出来た布の穴は刺繍で美しくかがり、それがまたアクセントとなる。「傷つけ、つぶしたものの中から美しさ出てくる」「滅びる寸前や、朽ちるものが美しい」と考える丸山正の独特の手法が生み出す布の世界です。多くの方がまだ見たことがない丸山正のきもの、どんなきものなのか、見てみたいと思いませんか。(*参考記事/朝日新聞)