岩魚の塩焼き担当です。
この作業をしていると、お客様が近くで釣れるんですか?と尋ねられることがあります。これだけの揃った岩魚をこの真冬に確保出来たら、神業。天然の岩魚は、料亭か高級ホテルに委ね、喜楽荘では、村内の養殖、仕出し屋さんから届けて貰います。川魚の専門店が村内にあるので、いろりで炭火焼きを売りにしている喜楽荘にとっては、とても有り難い事です。
それはさて置き、午前中まで泳いでいたやつに金串を通したモノが3時頃配達されます。宿によっては、焼いたものが届けられますが、私は、ここからが勝負。いろりの炭火を薪ストーブに入れて起こします。白炭がものに寄ってぱちぱちと跳ねることもありますので、必須です。そうしておいて、急いで塩を振ります。この日荒塩のこだわりの塩が、切れて漬物の塩で我慢します。
ヒレに化粧塩をたっぷりと、ヒレを起こして沢山付けるのもコツが要ります。次に、身全体にちょうどいい加減に降ります。イワナを自分で孵化させ育て、大湯通りの居酒屋で骨酒を出しているいとこに始めは教わったのですが、後は独学です。
灰に均等に立てて行きます。
その日の数に寄って、円のサイズを頭の中で描きます。
ピッタリと収まると気持ちが良いです。
2時間ぐらい、裏表両側を炙り、更に背中、腹と4回に渡り、こんがりと焼き上げます。食堂のテーブルにセットされたお皿に置いて回るのは、お客様が座り始めたころ。焼きたての美味しい裏にはこんなこだわりがありました。(思い出し日記:2021・12・30)