ネットで借りて・・・・
今、赤毛のアン 3部作を見終わりました。
DVDファンのみなさんは、どんな時間を使って視聴されているのでしょう。わたしの場合は、見終わるのに時間がかかってしまいます。そのため、会員料金が随分無駄になってしまいます。でも、返却すると。リストアップしていた作品(スパンが長すぎて、何を頼んでいたかも忘れてしまうくらいです(^^;)
ですが、ものぐさなわたしにとっては、延滞料が発生しないこのシステムは、◎かもしれません。
映画の話に戻ります。
赤毛のアン 随分、昔にシリーズを読みました。この作品が時代をこえて、愛されるはなぜでしょう。アンが、優しく、強く、賢く、自ら運命を切り開いていくところでしょうか。マリラやレイチェル、ダイアナ、ギルバートなど取り巻く人々の魅力でしょうか?美しい自然と共に、読む人々それぞれが、お気に入りのポイントがあるのでしょうね。
わたしは、作者、モンゴメリの思いとは異なると思いますが、迷いながらも自らの信じる道を外れず生き抜いていくたくましさに惹かれます。失敗を重ねながらも成長していくところも大好きです。そういう、アンの魅力を核に、時代背景を読み解き、アンならばと想像を広げながら作成されたのが、この実写版の3部作では、ないでしょうか。
2作目「アンの青春」3作目「アンの結婚」は、原作と随分異なる作品ですね。でも、原作を生かしながら、より、テンポのある、奥の深い作品になっていると思います。ファンの気持ちを裏切らない程度に原作に忠実に、でも、ストーリー性を高め、作品の意図を明確にしながら作られていると思います。作り手の原作分析や時代を考証した上での、意味づけなど。映画ならではの魅力があふれる作品でした。
「アンの青春」では、キングスポートの住人を巻き込んで、行くところが好きです。偏屈な人、偏見をあからさまにする人を辛辣な言葉やユーモア、真っ直ぐな生き方で味方にしていくところが痛快です。
「アンの結婚」では、原作を大きく外れていきます。少々、展開が強引で(調べましたら、カナダの完全版は3時間以上の作品だそうです。カットした関係でしょうが。)違和感のあるところもありますが、人間の利害関係、醜さの象徴である戦争や出世欲と対極に生きる誠実な人間、人間愛などを描いているように感じます。
戦争の描写に関しては、第1次対戦のヨーロッパ戦線のことや戦争の背景が、日本人には、分かりずらいところがあります。映画を見終わった後に、すぐ、ネットで第1次世界大戦の情報を調べました。カナダとイギリス、アメリカの関係から考えれば、従軍や戦場描写も納得なのですが、新聞社の果たした役割など、まだ、ストーリーがよくつかめないところも残りました。そういう細かいところは、考えずに、自由や個性を大切に、感性豊かに生きていくアンらしさが、戦火の中に飛び込んでゆく行動に象徴されているのかもしれません。
最後の場面を見ながら、戦争の愚かしさ、生きることの意味を考えさせられました。
なぜ、戦争がなくならないのでしょう。
人間の欲、国家の欲のために、多くの命が犠牲になる。
アボンリーのような田舎で、マリラのように生きることの方が、意味のあるものに思えました。
わたしたち人間が、分を保って生きるなら、国土を広げることや自国の利益だけを求めることなど必要ないのに・・・・
今、連日、中東の不安定さを伝えるニュースが流れています。自国の利益のためなら、なりふり構わない中国やロシアの資源競争のことなども、まるで、第2次世界大戦の前のような感じがします。第1次世界大戦は膨大な犠牲者を生み出しました。戦闘員の戦死者は900万人、非戦闘員の死者は1,000万人、負傷者は2,200万人と推定されているそうです。人類の発展が、それまでの戦争と大きく異なる戦争を生み出した結果です。この後の第2次世界大戦では、より多くの犠牲が生じたことは、わたしたちの知るところです。
現在の世界の技術力、発展の様子から、もし、次の大戦が起きたなら、犠牲者の数は数倍?いえ数十倍?生き残る人々の方が少ないかもしれません。
言わず語らずもがな、みんな、そんなことは、分かっているのに、それでも、紛争がなくならないのですね。なんと愚かなのでしょう、人間は。