「……ちっ!」
隙を見つけ斬りつけたが、かわされた。
一息つけて、一度間合いを空けた。
「思ったよりやるっちゃ……」
なかなか決め所が見つからず、お互い呼吸が荒くなった。
しかし、なにかしら見つけないと、持久戦になってしまう。そうなると、残りの体力がどちらにあるか、駆け引きでもある。
できれば、それは避けたい。ここまで逃げ回るのに、体力を使っている。向こうはそれまでにどれだけ使っているか……。計算が出来ない。
呼吸を整えると、右足を蹴り出す。クイファも合わせて動く。相変わらず、力が拮抗している。更に力を込めるが、状況は変わらない。
手段を変えて、斬りかかる。しかし、また避けられてしまう。
体勢を崩したところへ、カウンターを狙って踏み込んできた。
『間に合うか……』
必死に体を戻し、愛剣で受け止めるとギリギリ回避した。
「危なかった……」
悔しさからか、クイファの顔が引きつっていた。
しかし、なんであいつは攻撃が遅れたんだ? あのまま振りかざしていれば、確実に捉えられた。だが、わずかに遅れ、そのおかげで逃れることが出来たが。
躊躇したわけでもないだろうし、絶好のチャンスだったから作戦でもない。……謎だ。
襲いかかってきたクイファをかわし、攻撃に転じた。そのまま打ち合いになるが、なかなか決まらない。
「そこだ!」
隙を見せたところを、振って攻めかかった。案の定、受け止められてしまったが、クイファの様子がおかしかった。
「……そういうことか!」
「なにがだっちゃ?」
つい、にやけてしまったが、そういうことなら試してみるか。
一気に攻めかかった。互角の打ち合いになるが、想定通り。確実にチャンスが来るのを待った。クイファが、一瞬引き下がったところを、愛剣を振り下ろすフェイントを入れてみた。
「うぅぐ!」
思った通りの反応を見せた。
「それを待っていたぜ!」
痛がるクイファを押し込み、地面の上に倒れた。
「お前……右足を痛めているだろう」
剣先をクイファの顔面に向け、問いただした。
「見破られていたか……」
「ああ、右に重心を置くのを避けていたからな」
「さっき、つまずいた時にっちゃ」
石畳の上で派手に転んだからな……。
「湯治するなら、いくらでも出ているから、ゆっくりしていきな」
「ああ、ありがとうっちゃ」
クイファと分かれて、オレは山奥に入り、自作湯船にて痛めた傷を癒やしていた。
「土筆島か……」
何度行ったが、いい思い出がない。
西へ行くつもりだが、そこまで行くか気が進まない。
ひとまずは、対戦相手を見つけなければ前には進まない。
≪ 第46話-[目次]-第48話 ≫
------------------------------
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隙を見つけ斬りつけたが、かわされた。
一息つけて、一度間合いを空けた。
「思ったよりやるっちゃ……」
なかなか決め所が見つからず、お互い呼吸が荒くなった。
しかし、なにかしら見つけないと、持久戦になってしまう。そうなると、残りの体力がどちらにあるか、駆け引きでもある。
できれば、それは避けたい。ここまで逃げ回るのに、体力を使っている。向こうはそれまでにどれだけ使っているか……。計算が出来ない。
呼吸を整えると、右足を蹴り出す。クイファも合わせて動く。相変わらず、力が拮抗している。更に力を込めるが、状況は変わらない。
手段を変えて、斬りかかる。しかし、また避けられてしまう。
体勢を崩したところへ、カウンターを狙って踏み込んできた。
『間に合うか……』
必死に体を戻し、愛剣で受け止めるとギリギリ回避した。
「危なかった……」
悔しさからか、クイファの顔が引きつっていた。
しかし、なんであいつは攻撃が遅れたんだ? あのまま振りかざしていれば、確実に捉えられた。だが、わずかに遅れ、そのおかげで逃れることが出来たが。
躊躇したわけでもないだろうし、絶好のチャンスだったから作戦でもない。……謎だ。
襲いかかってきたクイファをかわし、攻撃に転じた。そのまま打ち合いになるが、なかなか決まらない。
「そこだ!」
隙を見せたところを、振って攻めかかった。案の定、受け止められてしまったが、クイファの様子がおかしかった。
「……そういうことか!」
「なにがだっちゃ?」
つい、にやけてしまったが、そういうことなら試してみるか。
一気に攻めかかった。互角の打ち合いになるが、想定通り。確実にチャンスが来るのを待った。クイファが、一瞬引き下がったところを、愛剣を振り下ろすフェイントを入れてみた。
「うぅぐ!」
思った通りの反応を見せた。
「それを待っていたぜ!」
痛がるクイファを押し込み、地面の上に倒れた。
「お前……右足を痛めているだろう」
剣先をクイファの顔面に向け、問いただした。
「見破られていたか……」
「ああ、右に重心を置くのを避けていたからな」
「さっき、つまずいた時にっちゃ」
石畳の上で派手に転んだからな……。
「湯治するなら、いくらでも出ているから、ゆっくりしていきな」
「ああ、ありがとうっちゃ」
クイファと分かれて、オレは山奥に入り、自作湯船にて痛めた傷を癒やしていた。
「土筆島か……」
何度行ったが、いい思い出がない。
西へ行くつもりだが、そこまで行くか気が進まない。
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