剣が交わると、再び打ち合いとなる。
「そのうち、楽に終わらせてやる」
「その自信が過信だったことを、思い知らせてやるよ」
平坦な場所に移ってからは、攻勢を強めてきたタトリーニ。
「さっきは、よくも恥ざらしにしたな!」
ああ、風呂での一件か。滑稽で楽しめたがな。
一気に間合いを詰められ、息もつかせぬ攻撃が続く。オレも対応するが、さっきより早い。
「やっぱり抑えていたか……」
「ああ、お前を確実に捉えるためだ!」
斜面の時より一段と増してきている。相当、恨んでやがる。
尚も手を休めることなく、攻勢を強めて意気揚々となってきた。むかつくほどに。
「パスク、お前の弱点は分かっている」
「ああ? どういう意味だよ」
「焦らなくても、今に教えてやる」
タトリーニは更なるギア上げをして、スピードが増してきた。荒波のスピードで、確かにこれは早い。一瞬のスキもなかった。
「どうだ……。これはお前には……付いて来られないだろう……」
途中で攻撃が止まり、タトリーニから離れた。話しかけてくるが、随分と息が荒かった。
「これが続けば……だな」
作戦があると言った割には、どうやらオレの作戦の方が上回った。
一息つくと、タトリーニから仕掛けてきた。先程と同様の攻撃が続いてきた。
「だろうな……」
つい、思っていたことを口にしてしまった。
「何がだ!」
「それは、自分自身のほうが分かっているんじゃないのか」
尚もタトリーニの猛撃が続く。しかし、受けるたびに確信してきた。
「そろそろ、終わりにしてやるよ!」
その言葉通り、タトリーニのスピードが上がってきた。それと引き替えに、息の荒さが目立ってきた。
「……どっちがだよ」
分かっていた、もうトップギアには入れられないことを。
粋がって上げたスピードも、徐々に落ちていくのが分かってきた。最初に不意打ちを仕掛けて、無駄走りをさせておいて正解だった。
隙を見計らい、反撃に出てみた。かわすのがやっとの所だった。
「恥の上乗せを味わえさせてやるよ」
ピーノとの敗戦。あれがどれだけ悔しかったか……。根本から見直すことにし、持久力の向上を目指した。失っていたものを、なにか取り戻せそうで、日々楽しく過ごせてきた。
かといって、オレも十分な体力を残しているわけではない。一気に押しかけ、相手に休みを与えなかった。
間合いを詰めて踏み込む。愛剣に力を込め、一気に振り抜いた。
「ぐくっ……」
辺りは、金属音が鳴り響いていた。
弾いた剣は、タトリーニの遥か背後で地面に突き刺さった。
≪ 第39話-[目次]-第41話 ≫
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「さっきは、よくも恥ざらしにしたな!」
ああ、風呂での一件か。滑稽で楽しめたがな。
一気に間合いを詰められ、息もつかせぬ攻撃が続く。オレも対応するが、さっきより早い。
「やっぱり抑えていたか……」
「ああ、お前を確実に捉えるためだ!」
斜面の時より一段と増してきている。相当、恨んでやがる。
尚も手を休めることなく、攻勢を強めて意気揚々となってきた。むかつくほどに。
「パスク、お前の弱点は分かっている」
「ああ? どういう意味だよ」
「焦らなくても、今に教えてやる」
タトリーニは更なるギア上げをして、スピードが増してきた。荒波のスピードで、確かにこれは早い。一瞬のスキもなかった。
「どうだ……。これはお前には……付いて来られないだろう……」
途中で攻撃が止まり、タトリーニから離れた。話しかけてくるが、随分と息が荒かった。
「これが続けば……だな」
作戦があると言った割には、どうやらオレの作戦の方が上回った。
一息つくと、タトリーニから仕掛けてきた。先程と同様の攻撃が続いてきた。
「だろうな……」
つい、思っていたことを口にしてしまった。
「何がだ!」
「それは、自分自身のほうが分かっているんじゃないのか」
尚もタトリーニの猛撃が続く。しかし、受けるたびに確信してきた。
「そろそろ、終わりにしてやるよ!」
その言葉通り、タトリーニのスピードが上がってきた。それと引き替えに、息の荒さが目立ってきた。
「……どっちがだよ」
分かっていた、もうトップギアには入れられないことを。
粋がって上げたスピードも、徐々に落ちていくのが分かってきた。最初に不意打ちを仕掛けて、無駄走りをさせておいて正解だった。
隙を見計らい、反撃に出てみた。かわすのがやっとの所だった。
「恥の上乗せを味わえさせてやるよ」
ピーノとの敗戦。あれがどれだけ悔しかったか……。根本から見直すことにし、持久力の向上を目指した。失っていたものを、なにか取り戻せそうで、日々楽しく過ごせてきた。
かといって、オレも十分な体力を残しているわけではない。一気に押しかけ、相手に休みを与えなかった。
間合いを詰めて踏み込む。愛剣に力を込め、一気に振り抜いた。
「ぐくっ……」
辺りは、金属音が鳴り響いていた。
弾いた剣は、タトリーニの遥か背後で地面に突き刺さった。
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